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読書備忘録です。

キャパになれなかったカメラマン/平敷安常

 著者は、米国ABCのTVカメラマン(フォトグラファー/フォトジャーナリスト)。キャパになれなかったカメラマンとは、自身のことを言っているのだが、本書は、著者のベトナム戦争を中心とした戦争カメラマンとしての活動の記録というよりも、ベトナム戦争における記者、カメラマン、サウンドマンらの群像劇になっている。死と背中合わせの日々における競争と協力、とても濃い人間関係、熱い思い。文庫上下1100ページを超える大作だが、ページを繰る手はとまらない。
 開高健はちらっと登場するが、「サイゴンから来た妻と娘」の近藤紘一は登場せず。ピュリッツァー賞をとった沢田教一とか、日本人カメラマン、記者が多く殉職していることを改めて知る。
 カバー表紙の著者の写真、とてもいい顔だと思う。
 解説は池澤夏樹大宅賞受賞作。