HONMEMO

読書備忘録です。

さよなら渓谷/吉田修一

 これはある意味「悪人」をより複雑にした変奏曲だな。
 「悪人」が犯罪者と逃亡幇助者の美しい関係であるのに対し、本作は、「レイプでは加害者は許されるが、被害者は許されない」というやりきれない状況の中での加害者と被害者の間の愛憎という難しい設定になっている。

さよなら渓谷 (新潮文庫)

さよなら渓谷 (新潮文庫)