HONMEMO

読書備忘録です。

名誉と恍惚/松浦寿輝

日中戦争/上海事変下の上海を舞台とする謀略ものロマン。映画「ラスト、コーション」「上海の伯爵夫人」とかカズオ・イシグロ「わたしたちが孤児だった頃」とか、他にもっと本書に近い雰囲気を持つ小説もあったと思うのだが(思い出せない)、魔都上海が舞台というだけでワクワクする。スリリングな展開と江戸川乱歩的な妖しさ・エロス、上海の街や映画、撞球などのディテールの素晴らしさ、まさに巻を措く能わず。

私にとっての小説オールタイムベスト10に入りそう。

 

名誉と恍惚

名誉と恍惚