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読書備忘録です。

感情化する社会/大塚英志

感情化する社会とは、理性や合理でなく、感情の交換が社会を動かす唯一のエンジンとなる社会。

生前退位についての天皇の「お気持ち」表明と国民の圧倒的共感はまさにそれを示すもので、アダムスミスの言う中立的観察者を失っている。「お気持ち」は、天皇による憲法天皇条項の解釈であり、(個人としての)政治的発言であるが、感情としてのみ受けとめられ、その解釈についてはスルーされた。天皇は、憲法を倫理や規範として生きようとしたが、国民は感情としてしか天皇の問題提起を受け止められなかった。

天皇感情労働(感情を汲み取り続ける行為)から解放すべき。

 

このほか、SNS参加は無償労働とか。文学論は、興味深いところもあるが、私の関心の外側に近い。

 

 

感情化する社会

感情化する社会