いわゆる歴史認識を問うというよりは、政策判断における国際情勢認識の重要性を説くもの。
第一次大戦後、欧米では、これまでにない大規模な破壊と人的損失を経験したことから、国際協調主義、平和主義の流れが強まるが、第一次大戦を天佑として捉え、被害を受けなかった日本は、そのような国際情勢を理解できず、権益確保のみを追求し、孤立していく。
軍の暴走や捕虜虐待などは、日露戦争まで国際的地位の確立のため重視された国際法についての教育が疎かになったことにも原因がある。
現代の歴史教育では、世界の中の日本の歴史という観点が疎かになっている。
戦前の日本が軍国主義という名の孤立主義に陥ったとすれば、戦後の日本は(9条)平和主義という名の孤立主義に陥っているという指摘はなるほど。
戦後史の解放I 歴史認識とは何か: 日露戦争からアジア太平洋戦争まで (新潮選書)
- 作者: 細谷雄一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/07/24
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