HONMEMO

読書備忘録です。

日本人の神/大野晋

神の祭祀は、今日の政治の運用に対する基本的考え方、対処の仕方の原型。すなわち、金品を権力者に贈与することによって、下賜される便益を享受しようとする行動の原型であり、ハラヘの考え方は、罪過、公害、公金私用などは隠蔽し、先送りすればいずれ消失するに違いないとする考え方の原型。

また、神との間の契約の考え方、自己規律の観念はなく、人間は成り行きとして生まれ、自然の中でよしとされる明るい、清水のような心を持てば、食料が得られ、繁殖行為を営んで死んでいく。それを繰り返すところに世界があるとする考え方がある。

 

日本人のカミの観念、信仰(さらには、言語、文化)は、南インド、タミルに由来するのではないかという有名な仮説。

 

本書のある意味キモという部分かもしれないが、言語学的検証、解説の部分は、飛ばし読み。

 

日本人の神 (河出文庫)

日本人の神 (河出文庫)