HONMEMO

読書備忘録です。

21世紀の戦争と平和/三浦瑠麗

冷戦後の世界において戦争を抑止するには?

超大国間の戦争には核抑止が働くが、イラク戦争のように、軍が反対する中でもシビリアンが戦争を決断するのは、血のコストが共有されないからではないか。

このような観点から、民主的な決断を行うシビリアンが、血のコストの担い手である軍のプロフェッショナルとしての提言を重く受け止め、受け入れることや、血のコストの平等負担を国民に課す(徴兵制)ことにより、開戦決定の際に国民がそのコストを自覚した上で慎重に判断できるようにすることなどを提言。韓国、イスラエルスウェーデン、スイス、ノルウェー、フランスにおける徴兵制の実情を分析する。

拒否反応、思考停止に陥ることなく議論してみるに値すると思う。匿名性に隠れて勇ましいことを言うネトウヨさんもちっとは変わるかもしれぬ。

ただ、日本の場合は、現状、血のコストの認識という点では、PKO等で1人死ねば大騒ぎになるはずで、わざわざ徴兵制などというまでもないのかもしれない。

 

21世紀の戦争と平和: 徴兵制はなぜ再び必要とされているのか

21世紀の戦争と平和: 徴兵制はなぜ再び必要とされているのか