2019-11-14 黄金夜界/橋本治 フィクション 金色夜叉の本歌取り。 金色夜叉がそうであるように(粗筋しか知らないけど)、ストーリー自体は極めて通俗的なのだが、平成の時代を切り取って見事(橋本治晩年の小説は皆そうだ。)。 怒りさえもねじ伏せてしまう強い絶望のうちにある貫一には、愛すらも欠落してしまっている。貫一は、美也と再会することで、自らのそんな絶望に気づいてしまう。悲しいラスト。 橋本治の描く平成は、物悲しい。 黄金夜界 (単行本) 作者: 橋本治 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2019/07/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る