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読書備忘録です。

冬の旅/辻原登

主人公緒方は、基本的に真面目、真っ当な人間なのだが、不当な解雇や配偶者の裏切りなど次々に不条理に見舞われ、ついには強盗の片棒を担いで刑務所へ。出所してのちも不運は続き、衝撃のラストへ。

最後「俺の最初の躓きは何だったのか」と、来し方を振り返る緒方は、これまでは訳もわからず否応なく生きさせられていたが、これからは、死刑になるという現実であっても、それに逆らわず生きていける、ようやく何かから自由になったのではないか、と考える。

「おれはおれの人生に別の意味合いをみつけた上で、縛り首になるんや。」

 

冬の旅

冬の旅

  • 作者:辻原 登
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/01/25
  • メディア: 単行本
 

文庫化されている。