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読書備忘録です。

「悟り体験」を読む/大竹晋

第1部で宗派別などに整理して悟り体験を見ていき、第2部で分析、考察。

大乗仏教において悟りとは、真如(法無我=もろもろの枠組みに我(確かな自己)がないこと=仏性)の実見=見性である。

悟り体験は、次の5段階から構成されるという。

1 自他忘失体験〜通常の心である自我の殻を残しているが、自己と他者との隔てを忘失して、ただ心のみとなる体験

2 真如顕現体験〜自我の殻を破って真如が顕現する体験。心が開ける。

3 自我解消体験〜真如顕現により自我の殻が解消される体験。殻に閉じ込められていたものが全世界へと放散される。

4 基層転換体験〜自我の殻が解消されたことによって、存在の基層(心と身体)が転換する体験。心の外側にあった全世界が心の内側にあるように感じられる。身体については、発汗、震動、皮膚感覚消失などがしばしば起こる。

5 叡智獲得体験〜基層転換によってかつてない叡智が獲得される。(公案の解決によって確認される=臨済宗)

なお、悟り体験はいかなる宗教の信者によっても(無神論者を含む)得られ、それぞれが信じる宗教の文脈に即して理解される。

わかったようなわからないような。

 

「悟り体験」を読む: 大乗仏教で覚醒した人々 (新潮選書)

「悟り体験」を読む: 大乗仏教で覚醒した人々 (新潮選書)

  • 作者:大竹 晋
  • 発売日: 2019/11/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)