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読書備忘録です。

白人ナショナリズム/渡辺靖

白人ナショナリズムといっても、

反移民系、反LGBTQ系、反イスラム系、クリスチャン・アイデンティティ系、ヘイト全般系、クー・クラックス・クラン系、男性至上主義系、新南部連合系、ネオナチ系、レイシスト・スキンヘッド系

など様々であるようだが、「リバタリアニズム」で紹介されていたノーラン・チャートでいうと、リバタリアンが経済的には「保守」、社会的には「リベラル」の性格を有するのに対し、ナショナリストは、その対極にあって、経済・社会的に自由度が低く個人より集団の利益を重んじる「権威主義」にあたり、集合主義と親和的。リバタリアングローバリズムに肯定的なのに対し、ナショナリストは否定的。一方、リバタリアンナショナリストは、連邦政府や二大政党制に信頼を置かず、反ポリコレという点で同様の立場に立つ。

白人ナショナリズムは、グローバルな広がりを見せており、その脅威の深刻度は増している。

白人ナショナリズムの隆盛は、米国の分裂、トライバリズム(人種、民族、宗教等の差異に沿ってその集団に閉じこもり、自らの集団を被害者、犠牲者とみなして他の部族を制圧しようとする)の広がりを示す。

背景には、グローバル化に伴う人々の居場所の喪失感、不安、怒りがあり、反グローバリズムを掲げるナショナリズム勢力が台頭し、リベラルな国際秩序が揺らいでいる。民主主義国家は、ドライバリズムを克服できるか。現状は米国のみならず、民主主義の試練。