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読書備忘録です。

病魔という悪の物語/金森修

副題はチフスのメアリー。20世紀初頭のニューヨーク、腸チフスが蔓延、貧しいアイルランド移民の賄い婦メアリーは、本人に自覚の全くない中、健康保菌者として3年にわたり離島の小屋に隔離される。その後一旦は制限付きで釈放されるものの、今度は死ぬまで23年間同じ島に隔離されることとなった。

他の同様の健康保菌者の取扱いと比べてもバランスを欠き、世間のメアリーを見る目も極めて差別的だった。

筑摩プリマーは、若年者向けとはいえ、結構しっかりとした内容のものも多いが、これは若干物足りない。コロナ禍において示唆するところ大きいのはもちろんだが。