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読書備忘録です。

山奥ビジネス/藻谷ゆかり

地方の活性化を考える本は、藻谷浩介「里山資本主義」をはじめ、小田切徳美「農山村は消滅しない」、枝廣淳子「地元経済を作り直す」など関心を持って結構読んできた。

本書前半でも取り上げられているような優良事例、先進事例は、いずれも勇気づけられるものだし、活性化の提案ももっともと思う。それでもマクロ的にはなかなか地方は厳しいのだろうが、このような取組みがどんどん創発的に出てくると、夢を持てる人が増え、更に自発的な取組みが増えるという好循環が生まれるだろう。

人口減が進むことが必然の日本で、観光の重要性はもとよりのことだが、観光業が製造業に代わる基幹産業にならざるを得ないというのはどうだろうか、とは思う。

地方の目指すべき方向は、若い世代が地元を離れることを阻止することではなく、地元を離れた若者が越境学習を終えて地元に戻ってくること(Uターンによる社会増)である、特に若い女性のUターン促進だという主張は説得力がある。

地方自治体の人口増の施策としては、出産祝金の支給や医療費、給食費の無料化などは的外れで、女性の雇用の場を作ることが重要であると。