HONMEMO

読書備忘録です。

悩んでも迷っても道はひとつ/村上一枝

マリ共和国で30年にわたり支援活動に従事した著者の活動の記録。

支援内容は、識字指導、裁縫や菜園作り、産院の設置、井戸設置、衛生指導、マラリア寄生虫対策など広範にわたる。その支援活動の基本姿勢は「自立」。物を与え、お金を与えるのではなく、住民が自ら考え作り上げていく自立した生活への支援が重要ということはよく言われることだが、それを徹底して実行したその実際がよく分かる。

「支援は国の見栄や自己満足のためであってはならない。支援は資金を出す側が中心ではない。現地住民を理解し、その環境と生活、意識に合う支援であってこそ、成果が見えてくる。」と無駄に終わる支援を強く批判、井戸の修理技術の普及なども行っている。

イスラム過激派による紛争で現地活動を停止せざるを得なくなったことは痛恨であろう。「しかし、希望の光は消えてはいない。・・・今まで設立した産院・診療所も、村で運営している人たちがどうすれば再興できるか考えると思う。それだけの自立の土壌は作ってきたし、彼らの能力もある。イスラム過激派が引き揚げれば、時間がかかろうとも彼らは立ち直っていくと信じている。」