HONMEMO

読書備忘録です。

2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

夜間飛行/サン=テグジュペリ

著名な堀口大學訳ですが、いわゆる賞味期限切れという感は否めないです。いずれ新訳で読んでみたいと思います。 夜間飛行 (新潮文庫)作者: サン=テグジュペリ,堀口大學出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1956/02/22メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 75回この…

紅梅/津村節子

膵臓がんで亡くなった夫吉村昭との最後の日々を私「育子」の目で綴った私小説(ほとんど随筆というかノンフィクション)。 臨終に際して「あなたは、世界で最高の作家よ!」と叫んでいたという自分を夫は喜んでいただろうか(「あなたを愛している」でなかっ…

東京瓢然/町田康

町田康によるぶらり旅エッセイ。 「汚れちまった六根に今日も栄螺の降りかかる。」とか、 なぜか一本足りなかった串カツへの拘泥とか、 ぐふふ、わはは。 東京飄然 (中公文庫)作者: 町田康出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2009/11/24メディア: 文庫購…

リア家の人々/橋本治

巡礼、橋もそうですが、最近の橋本治の小説は、昭和の一時代そのものを描き出しているという印象です。本書は、戦中に文部省の初等教育局長を務めてパージされ、その後冴えないポストに復職する父(=リア王)と3人の娘を中心とする物語ですが、リア王を換骨…

白い人・黄色い人/遠藤周作

白い人は、芥川賞受賞作。このころまでの純文学作品の一典型という感じです。 白い人・黄色い人 (新潮文庫)作者: 遠藤周作出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1960/03/17メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (18件) を見る

安全。でも、安心できない…/中谷内一也

安全と言われても安心できないのはどういう場合か、あるいはどうすれば安心してもらえるのか、というリスク管理の問題を心理学からアプローチした、この領域では珍しい(?)いたく真っ当な本という印象です。 原発事故についても新潟中越地震の際の刈羽原発…

クォン・デ/森達也

ヴェトナムの溥儀のような存在になったかもしれなかったクォン・デを追うノンフィクション。情報が少ないためもあるのだろうが、クォン・デ自身のことよりも、その周辺事情のことや著者の取材自体のことなどの記述がやたら多いし、内容自体もこれは小説か?…

虚人たち/筒井康隆

筒井康隆面目躍如の極めて実験的な小説。興味深く読むけれど、その仕掛けは小説として面白いものとは感じらない。 虚人たち (中公文庫)作者: 筒井康隆出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1998/02メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 141回この商品を含むブロ…