HONMEMO

読書備忘録です。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

北斎になりすました女/壇乃歩也

北斎の娘応為の作品には、夜桜美人図や吉原格子先之図など、光と闇の捉え方がとても美しい、素晴らしいものがある。また、指先の描き方とほつれ髪に特徴があると言う。 また、北斎の作品には、応為との共同作業によるものと考えられるものがある。特に晩年に…

地元経済を創りなおす/枝廣淳子

これからの日本にとって何より大事なのは、地域経済の活力を取り戻すことだ。 そのためには、地域でビジョンを立て、地域経済の状況を把握し、地域にお金を持ってくることよりも地域から出ていくお金を少なくして(漏れバケツの穴を塞ぐ)、地域内乗数効果、地…

チョンキンマンションのボスは知っている/小川さやか

香港のタンザニア人コミュニティの経済活動を中心にしたルポ。(サブタイトルの「アングラ経済の人類学」のアングラというのはややミスリーディング。中古車や修理済み携帯などのスポット的な取引が多く、ニッチではあるが、ほとんどは違法というほどではない…

暴君/牧久

国鉄・JRの労働組合のドン松崎明の評伝。 国鉄労組といえば、経営に介入、生産性の向上、合理化に反対し、順法闘争とかスト権ストとか、なかなか理解しがたい戦術で混乱をもたらし、莫大な累積赤字の主たる原因を作ったというイメージ。そのドンともいう人物…

女帝小池百合子/石井妙子

石井妙子は、おそめ、日本の血脈の2冊を読んだことがあって、その丁寧な取材と文体を好感していたので、ジャーナリスティックな糾弾ものとは異なるだろうと思って手に取ったが、対象が対象だけに(?)やや情緒的な感じではある。 カイロ大学卒業という学歴詐…