HONMEMO

読書備忘録です。

2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

機械・春は馬車に乗って/横光利一

新感覚派といわれる著者の10短編。まあどうもあまりよくわからないので、何も書かないでおく。 機械・春は馬車に乗って (新潮文庫)作者: 横光利一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1969/08/22メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 54回この商品を含むブログ (37…

月と六ペンス/サマセット・モーム

芸術に憑かれた傍若無人の権化みたいな男ストリックランドは、カラマーゾフの兄弟とかハムレットなどに比肩するキャラクター造形なのではないかと。 月と六ペンス (新潮文庫)作者: サマセット・モーム,William Somerset Maugham,中野好夫出版社/メーカー: 新…

一万年の旅路/ポーラ・アンダーウッド

ユーラシア大陸を横断し、ベーリング海峡(陸橋)を渡り、さらにアメリカ大陸を横断してオンタリオ湖畔に達した、一万年に及ぶネイティブ・アメリカン(イロコイ族)のオーラル・ヒストリーです。 一万年の歴史ということで、八岐大蛇やらのように民族の神話と…

外交五十年/幣原喜重郎

口述筆記によるもの。外交の内幕を覗く面白さというのもあるけれど、むしろ歴史とは直接関係しないちょっとした小ネタがなかなか面白い。 外交五十年 (中公文庫BIBLIO)作者: 幣原喜重郎出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/01メディア: 文庫 クリック…

斎藤家の核弾頭/篠田節子

女たちのジハードで直木賞を受賞した97年に発表された長編SF。ディストピアをユーモラスに描いています。笑いながら、一方で背筋が寒くなります。 斎藤家の核弾頭 (新潮文庫)作者: 篠田節子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2001/07メディア: 文庫 クリック: …

季節の記憶/保坂和志

私と息子クイちゃん、隣人の便利屋松井さんとその妹美紗ちゃん、美紗ちゃんの幼馴染のナッちゃんとその娘つぼみちゃんの交遊を淡々と描いていて、特別の事件が起こるわけでもないのですが、といってこれは小説でしか読めない関係性でもあるのだろうと思いま…

夏の闇/開高健

舞台はベルリン。輝ける闇ののち、いわば生ける屍のようになっている私と、10年ぶりに会ったやはり「廃墟」を抱えている「女」。パイク釣りでひょっとして新しい展望が開けるのかと思った矢先、やはりそうはならず、私はひとりヴェトナムへ向かおうとする…。…

神器 軍艦「橿原」殺人事件

これはなかなか壮大なファンタジーです。負けることが想定されない神に率いられる日本の敗色が濃厚となる時、橿原は新たなる天皇を求めてタカマガハラへ向かう(ネタばれ)。「負けた日本は日本じゃない」のか「それでも日本」なのかという議論を巻き起こして…

外套・鼻/ゴーゴリ

いずれもあらすじは知っていていましたが(外套は読んだことがあったようにも思う。)、後藤明生「挟み撃ち」を読んだのがきっかけで読んでみました。何ということはないといえばそうなのですが、やはり現代に通じる古典(?)の味わいがありますね。 外套・…