HONMEMO

読書備忘録です。

2006-01-01から1年間の記事一覧

イラク

フセイン元大統領死刑執行 サッダーム・フセイン - Wikipedia

今年の三冊?

昨年同様の数え方で、今年も何冊読んだか数えてみたら115作品、128冊。 読売、朝日の書評家やはてなアンケート(人力検索だったか?)、梅田望夫さんなども含めて、今年の三冊というのをやっているので、まねしてみる*1。 日本の小説から、堀江敏幸「いつか王…

007など

007カジノ・ロワイヤル まあ次から次へとちとやりすぎでは?という感じではあるけれど、楽しめる映画ではある。おじさんにとっては、ショーン・コネリーがやはり一番だけれど、ロジャー・ムーアとか*1よりはいい。ボンド・ガールのエヴァ・グリーンは好みの顔立…

村の名前/辻原登

芥川賞受賞の表題作とデビュー作「犬かけて」の2篇(犬肉つながりか?)。いずれも現実と幻想の境界がゆれて…といった感じがあったりだが、なんだか私にはもう一つという感じ。この作者の作品は初めて読むが、比較的最近の作品が面白そうなので、この作者の…

ひらめき脳/茂木健一郎

ビジネス本か自己啓発本という類の本だった。本自体をどこかへやってしまったので見つかったらまたメモすることにする。 ひらめき脳 (新潮新書)作者: 茂木健一郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/04/15メディア: 新書購入: 2人 クリック: 24回この商品を…

パンク侍、斬られて候/町田康

町田康の長編は初めて読む。ううむ、やはり天才なんだろうなきっと。『ずば。』と斬られたって感じ。常人にはわけ分らんところもあるけれど、それでいて面白いってのが凄い。 この世は宇宙規模に巨大な条虫の腹中に存在する虚妄の世で、この世における悪や悪…

アラスカ永遠なる生命/星野道夫

星野道夫の写真とエッセイの一部を新たに編み直し構成した文庫オリジナル。文庫サイズながら多くの素晴らしい写真を手元に置くことができて嬉しい。 星野道夫の公式サイトを検索したら、年明けに、この夏NHKハイビジョンで放送された番組を再構成したものを…

第九

日本の年末の風物詩ベートーベン第九をBunkamuraに聴きに行く。東京フィルハーモニー交響楽団。考えてみると第九は初めてだ。

最終戦総論・戦争史大観/石原莞爾

数年前に福田和也の「地ひらく」を読んで、いずれは読んでみようと思っていた本。 ものずごく乱暴に単純化して言うと、世界の歴史は決戦戦争と持久戦争を繰り返してきたが、30年後くらいには(1970年頃)、日米(東亜と米州の2大ブロック)間で巨大な…

邂逅の森/熊谷達也

「まほろばの疾風」「漂泊の牙」と2作読んで、いいなと思いつつあと一歩という感じを持っていたけれど、本作は文句なし。最良のエンターテインメント。 遊女から主人公富治の妻となるイクの純情に涙し、富治と熊との死闘に思わず力が入る……こんなふうに書く…

李陵・山月記/中島敦

中国の古典を題材とした「山月記」「名人伝*1」「弟子*2」「李陵*3」の四篇を収める。昭和16、17年に書かれたもの。著者は、17年に34歳で喘息のため亡くなっている。 「尊大な羞恥心」が人を虎に変える。 人間であった時、己は努めて人との交を避けた。人々は…

恩讐の彼方に・忠直卿行状記他八篇/菊池寛

表題作のほか、「三浦右衛門の最後」、「藤十郎の恋」、「形」、「名君」、「蘭学事始」、「入れ札」、「俊寛」、「頚縊り上人」。 「恩讐の彼方に」は、子供の頃、子供向けの文学全集みたいなものを借りて読んだ記憶がある。それ以外ははじめて読んだ。人間…

シリウスの道/藤原伊織

藤原伊織だから、つまらないはずはない。でも結局「テロリストのパラソル」が一番インパクトがあったと思ってしまうのは、本書が「テロリスト」より一般に面白い(優れた)作品であるのかどうかということよりむしろ、私自身の嗜好の変化によるのかもしれない…

教育基本法成立

本日、改正教育基本法賛成多数で成立。 教育基本法案 新旧対照表

太宰治短編集2冊

富嶽百景・走れメロス他八篇 「魚服記」「ロマネスク」「満願」「富嶽百景」「女生徒」「八十八夜」「駆け込み訴え」「走れメロス」「きりぎりす」「東京八景」 ヴィヨンの妻・桜桃他八篇 「日の出前」「嘘」「薄明」「十五年間」「チャンス」「親友交歓」「…

武家の女性/山川菊栄

幕末の水戸藩の下級武士の家に生まれ、育った著者の母の日常の暮らしが活き活きと描かれていてなかなか興味深い。解説に添えられている写真がこれぞ「武家の女性」という感じのキリッとした姿で、素晴らしい(一方、一緒に写っている著者は…解説者芳賀徹の「…

寝ながら学べる構造主義/内田樹

寝ながら読めないことはないが、それほど易しいものでもない。ただ構造主義というものの何とはなしのイメージを持つことはできたように思う。 備忘のため、若干抜書きしておく。 (構造主義に関して) 私たちはつねにある時代、ある地域、ある社会集団に属し…

宮殿泥棒/イーサン・ケイニン

表題作のほか、「会計士」、「バートルシャーグとセレレム」、「傷心の街」という3つの中篇を収める。いずれも、普通の人の人生におけるちょっとした(と言ってしまうにはやや大変な)エピソードを丁寧に書いていて好ましい。でも表題作はなんで宮殿泥棒とい…

WEB2.0と著作権

梅田望夫のウェブ進化論を読んでいて一番良く分らなかったというか、難しいなと思ったのが、著作権との関係だ。グーグル・ブックサーチに関する出版社側とグーグルの対立の例をあげた上で、著者は、 「総表現者社会の到来」とは、著作権に鈍感な人の大量参入…

近頃観た映画

DVDやTVで観た映画をまとめてメモ。もう一つ二つ見た気がするのだが。すぐメモしておかないと忘れるな。 スーパーサイズ・ミー 1ヶ月マックを食べつづけるとどうなるか自らの体で実験するという、マイケル・ムーア的なドキュメンタリー。アメリカ人ってほんとに…

ながい坂/山本周五郎

久しぶりに周五郎を読む。樅の木ならぬ「くぬぎ林は残った」だな、こりゃ。主人公三浦主水正はスーパーマンだし、女房おつるの態度が途中でがらっと変わってしまうのもなんとなくしっくりこない。ななえは可哀相すぎるし、主人公の親兄弟に対する非情さもう…

普通に面白くない

芥川賞作家平野啓一郎がはてなでブログを立ち上げて、楽しみだ*1。 「普通においしい」というタイトルの日本語の使い方に関する記事(http://d.hatena.ne.jp/keiichirohirano/20061130)が人気になっているけれど、そのタイトルになぞらえて言えば、よくある陳…

ウェブ進化論/梅田望夫

今更ながらという感があるが、上梓は今年2月なんだな。ずいぶん昔の本のような気がしてしまうのはWEB業界のスピード感ゆえかもしれない。 WEB2.0というもの、Google、Amazonの位置付け、それによって生まれたロングテール現象などなど、とても良く分ったし、…

悪名高き皇帝たち〜ローマ人の物語17−20/塩野七生

長い長いローマ人の物語も完結するようだが、私は文庫でゆっくり読んでいて、今全体の真ん中くらいかな。初代皇帝アウグストゥスの後を襲う4人の皇帝の時代。 ティベリウス:市民の人気取り的な政策を行わず、後年はカプリに隠遁するなど、元老院からも市民か…

オリンポスの果実/田中英光

昭和15年の作。ロサンゼルス・オリンピックのボート選手の初恋物語なのだけれど、スポーツマンらしい爽やかなお話かと思えばさにあらず。師太宰治のあとを追うように墓前で自殺したという著者による私小説的な物語なので、もどかしいというか、うじうじした男…

山頭火/石寒太

「山頭火の生涯」、「山頭火の俳句」、「作品鑑賞」という三部構成になっていて、それぞれ、種田山頭火の生い立ちの紹介、その俳句の位置付けの解説、作品の紹介がされるということで、山頭火初心者として願ったりの構成。ただ、「生涯」「俳句」の部分は基…

読書の方法/吉本隆明

1960年頃からの書物にまつわる文章を集めて一冊にしたものということで、「書いたことも忘れていた」というものも多いとやら。そういう意味で、どちらかといえば半端な文章の寄せ集めなのだろうけれど、それでも私にとってはなかなか難解だ。三浦雅士による…

野間文芸賞など

野間文芸賞は黒井千次、野間文芸新人賞は、中原昌也とか。中原昌也は読んだことがないけれど、黒井千次とはずいぶん毛色が違うような気もする。黒井千次も昔教科書に短編がのっていてつまらなかったという記憶がある位のものなのだが・・・。 http://www.yomiur…

テレビ三昧

TV

今日は何らやよくTVを見た。 新日曜美術館は先日見に行った東京国立博物館での仏像展を中心としたもので、円空の釈迦三尊像三体が一本の木から出来ていることとか、木端すら無駄にせずに造った千体の観音像とかも含めて、素晴らしかった。日中戦争を南京大虐…

青春漂流/立花隆

なお青春の只中にある11人の人物の青春(の挫折、苦闘、成功)をインタビューを中心にして構成したノンフィクション。20年程前1985年の上梓。 ここに取り上げられるのは、みんな「自分の人生を大胆に選択して生きようとしている男たち」であり、「落ちこぼれ…