HONMEMO

読書備忘録です。

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

竹中平蔵 市場と権力/佐々木実

竹中平蔵の人物ノンフィクション。一貫して規制改革、構造改革を主導した新自由主義経済学者。竹中は、日本のアメリカ化を目指し、結果、見事にアメリカのような金融資本主義、格差社会を実現して、自らは利権により潤った。 この人がいなければ違う日本があ…

小倉昌男 祈りと経営/森健

<ネタバレ> ヤマト運輸宅急便の産みの親小倉昌男の評伝。 経営者としての手腕はよく知られているが、相談役も引いてから莫大な私財を投じてヤマト福祉財団を設立して障害者福祉に取り組んだのは何故だったのか?表面的な説明の裏には家庭の問題、特に心の病…

この1冊、ここまで読むか!/鹿島茂ほか

1冊の本を題材とした対談。鹿島茂が本と対談の相手を決めている。 ジーナ・キーティング「NETFLIX」 楠木建 更科功「絶滅の日本史」 成毛眞 「論語」 出口治明 マルクス「ルイボナパルトのブリュメール18日」 内田樹 速水融「日本を襲ったスペイン・インフル…

農ガール、農ライフ/垣谷美雨

いいお話。ただ、陳腐といっては言葉が悪すぎるかもしれないが、登場人物の造形もストーリーも型にはまっていて。 農ガール、農ライフ 作者:垣谷美雨 発売日: 2016/09/13 メディア: 単行本(ソフトカバー)

月まで3キロ/伊予原新

物理学、地質学などのモチーフが散りばめられた読後感の清々しい短編集。 著者は地球惑星科学の博士ということ。本書の中の「星六花」では気象庁職員が登場し、「山を刻む」では新田次郎の本を話題としていて、初めから編集者が新田次郎賞を狙っていたんでは…

人間の土地へ/小松由佳

K2日本人女性初登頂を果たした著者は、その後砂漠に魅せられ、シリア人青年と恋に落ち、シリアを行き来するうち内戦に巻き込まれ、結婚、日本で暮らすようになる。著者は従軍記者というわけでもないので、シリアでの体験はK2ほど切迫した危険は感じないもの…