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読書備忘録です。

国を作るという仕事/西水美恵子

20年余りにわたり南アジアを中心として世銀の開発プロジェクトに携わり、副総裁まで務めた著者による各国リーダー評を中心とするエッセイ、リーダーシップ論。

開発途上国の貧困の原因の多くは、腐敗構造などを含めた「悪統治」であり、最終的にはリーダーシップの問題に帰する。優れたリーダーは、草の根をよく理解し、「頭とハートがしっかりつながり、言葉と行動に矛盾がない」という。現場をよく知り貧困問題の解決に強い情熱を持って当たった著者のリーダー批判は激烈であり、また優れたリーダーに対する賞賛はこの上ない程だ。

多くのリーダーの素顔、現地事情をヴィヴィッドに描いて興味深いが、あふれる情熱をもとにした強い言葉による人物評にちょっとひく。