2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧
2020年7月初版というコロナ禍の衝撃冷めやらぬ、先の見えない状況(初めての緊急事態宣言解除が5月25日、7月下旬から第2波)で上梓されたもの。もっと最近のものと思って借り出したのだが。 24人の提言が掲載されているが、印象に残った提言などをメモ。 村上…
中国は台湾に必ず侵攻する。ただ、中国は失敗した時のリスクの大きさも理解している。戦力バランスは次第に中国に有利になることなどから、中国は急いで開戦する必要もないが、タイミングを計っている(いつ侵攻してもおかしくない)。 台湾有事は周辺事態であ…
精緻な観察と想像力、そしてきめ細やかな感性とそれにふさわしい美しい言葉。上質で豊かな贅沢な時間を過ごす。しかし、本書を語るに陳腐な言葉しか出てこない我が身が悲しい。 昔ながらのコーヒーショップに置いてあったりするとすごくいい。 からだの美 (…
著者は作家でもあり、料理人でもあるようだ。いろいろなサイトを参考にしながら適宜好みにアレンジしたりしているが、料理を工夫するのは楽しいものだ。 『おいしさと美しさはよく似ている。どちらも主観的であり、客観的なものではないので、自分とあなたが…
時事評論集 突き詰めていく論考で勉強になる。 1 ロシアのウクライナ侵攻 ロシアのウクライナ侵攻の背景に、ヨーロッパに対する羨望、劣等感がある。ヨーロッパの根幹は、キリスト教の隣人愛(自由平等、博愛、民主主義)であるが、ヨーロッパの行動は、自らそ…
副題は鉄道に見る日本近現代史。鉄道ファンである著者の個人史的なものも含まれているが、初出が朝日新聞日曜版に掲載されたコラムということで、肩肘張らないちょっと気の利いた読み物になっている。 72年の浅間山荘事件で政治の季節は終わったとも言われる…
ドイツ東部(旧東独)の寂れつつある町のギムナジウムの女性生物学教師の独白的な物語。旧東独の雰囲気を引き継いでトーン全体が寒々しく印象的だ。主人公は、適者生存(キリンの首が長い理由と主人公は考えている)など生物学の持つ冷徹さを体現しているような…
人口減必至の日本の内需を支える観点からも観光立国が唱えられ、オーバーツーリズムの弊害などから団体客より富裕層をいかに呼び込むかが課題とされている。 本書のいう美食立国は、これを食の観点から進めようというもの。フーディーと言われる美食オタクの…
本書の帯やキャッチコピーは、ややミスリーディング。ポイントは一人一人の経験、声から社会を、制度を作っていくことの重要性を説くもの。 科学の進展に伴い、客観性、数値に価値が置かれることにより、人間の序列化が進み、差別、排除の問題を生んでいる。…
斎藤美奈子の文芸批評は、切り口/補助線の引き方や見立ての面白さと歯に衣着せぬ語り口で毎度楽しめる。本書でも、まあ上品とは言いかねるけれど、啖呵の切れ味は見事だ。 青春小説(立身出世小説)の王道は「告白できない男たち」、恋愛小説の王道は「死に急…
国際政治の地図は、経済、安全保障などはもとよりだが、(それとも関連して)エネルギーをめぐる情勢からも大きな影響を受けて変化してきた。石油、天然ガス、シェール、原子力などを巡る、米国、ロシア、中国、中東のパワーポリティクス(ゲオポリティクス)の…