2008-01-01から1年間の記事一覧
昭和25年頃発表の短編2編。戦争の悲劇をユーモアにくるんだ「遥拝隊長」、庶民の日常をスケッチしたホームドラマ風の「本日休診」。 遥拝隊長・本日休診 (新潮文庫)作者: 井伏鱒二出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1955/06メディア: 文庫購入: 1人 クリック: …
今年は読書量が激減。73作品(77冊)*1。来年はもっと少なくなるかもしれないなあ。 例年のことなので、今年の3冊。どれもこれも今更ながら感強し。 フィクションから、大聖堂/ケン・フォレット ノンフィクションから、イサム・ノグチ/ドウス昌代 学術・教養…
妖しく幻想的な互いに少しずつ関連する物語3篇。こういうお話は好み。 あやめ 鰈 ひかがみ (講談社文庫)作者: 松浦寿輝出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/10/15メディア: 文庫 クリック: 13回この商品を含むブログ (13件) を見る 580円@都心の本屋さん
訃報を聞いて、積読山から引き出して。社会人は忙しいから週刊誌しか読まなくなるのではなくて、そもそも学生時代の知的活動が付け焼刃なだけだとか、私が生まれる前の論考は今も通じて。 高見順「敗戦日記」はいずれ。 日本人とは何か (講談社学術文庫 (51)…
文人悪食同様の文壇蘊蓄もの。ワイドショー的(もうちょっと高級だけど)文学史といった面白さ。 追悼の達人 (新潮文庫)作者: 嵐山光三郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/06メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 18回この商品を含むブログ (19件) を見る …
チャンドラ・ボースの方が有名だけど、中村屋インドカリーもボースさんでしたか。名物ナイルレストランのナイルさんもちらっと登場。中村屋のボースは、日本に帰化したインド独立運動家。アジアの解放者の顔と西洋帝国主義者の顔を併せ持つ日本に翻弄された…
詩集の印税で食べられる詩人は谷川俊太郎くらいとか。半年くらいかけてぼちぼち読んだ。 谷川俊太郎詩選集 1 (集英社文庫)作者: 谷川俊太郎出版社/メーカー: 集英社発売日: 2005/06/17メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 21回この商品を含むブログ (49件) を…
昭和30年頃、女性誌に連載されたものであるとかで、女性に語りかける(というか説教しているようでもある。)ように書かれている。時代背景は随分変わっているけれど、その厳しい考え方の筋は、何ら影響を受けるものでもなく。 私の幸福論 (ちくま文庫)作…
10年とちょっとの話なのに、政党の離合集散もすっかり忘れてしまっている。 グループ(派閥)ごとの参加者名簿とか、主要な人物の政党渉猟歴とか、データとして面白いのだけれど、新書の哀しさで中途半端。少なくとも、本書を、帯にいうような「本格的組織…
下巻が出たら読もうと思って積んでいたが、いつまでたっても出ないので、しびれを切らして読む。 日本は韓国に対して覇者としてふるまってはいたけれど、植民地化することにたいしては後ろめたさがあって、収奪する一方で国を近代化する手助けをした。悪に徹…
長い長い物語を読むのは久しぶりだ。 イギリス中世の王権と教権のせめぎ合い。貴族、修道士、職人といった人々の姿。修道院、城、村そして森。権謀術数と愛憎。 ダイナミックなストーリー、登場人物の造形はもとより、当時の世相や建築のディテールもすばら…
「猫」は中学生の頃に読み始めて、途中で投げ出したので、まともに読んでいないのだ。読んでみようか。 漱石先生ぞな、もし (文春文庫)作者: 半藤一利出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1996/03メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 5回この商品を含むブログ (…
エッセイというか評論というか。 河岸忘日抄や本書のようなタイプが作者の本領なのかもしれないけれど、私は、「雪沼」、「熊」、「王子駅」みたいな作品が好み。 子午線を求めて (講談社文庫)作者: 堀江敏幸出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/10/15メデ…
「1984」は昔々積読していて結局どこへ行ったか。就職した年だわ。 寓話というにはあからさまな感じでもあるけれど。開高健の評論と、長い長い訳者による解説(さらにあとがき)&年譜つき。 動物農場 (角川文庫)作者: ジョージ・オーウェル,George Orwe…
お上手ですねってところかな。楽しい小説。 スープ・オペラ (新潮文庫)作者: 阿川佐和子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/05/28メディア: 文庫 クリック: 9回この商品を含むブログ (22件) を見る 700円@都心の本屋さん
戦前の書の現代性。 禅とは何か (角川文庫ソフィア)作者: 鈴木大拙出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1999/03メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (12件) を見る 105円@BO
PCを使えない状況からやっと脱出。
哲学書を読むのは私には荷がかちすぎるので、このような入門書がありがたい。ポスト・モダン批判をもう少し読みたい気もしたが、本書の守備範囲ではないということだろうな。 自分を知るための哲学入門 (ちくま学芸文庫)作者: 竹田青嗣出版社/メーカー: 筑摩…
ひととおりフェルメールというものが分かるという意味ではいいのだろうが(教科書的勉強にはなる。)、「旅」という観点からの面白みも、絵画の紹介という意味での深みも感じられない。 フェルメール全点踏破の旅 (集英社新書ヴィジュアル版)作者: 朽木ゆり…
学術小説という訳のわからないサブタイトルがついているけれど、小説的体裁をとっているところはあまりピンとこない。まあ赤瀬川原平って現代の外骨みたいなところもあるし、こういうオモシロものを面白がるところは十八番で、宮武外骨の魅力を十二分に引き…
車もこないのに赤信号で待っている人はバカである 心を込めないで働く ボランティアはしない方がカッコいい 自力で生きて野垂れ死のう といった扇情的なタイトルの小文がならび、まあかなり極端な物言いが多いが、物の見方としては共感できる部分が多い。後…
要するに私はジェフリー・アーチャーのファンなんだと思う。本書を最初に読んだ人がどれだけ惹きつけられるかというとどうだかなあ…ではあるが、ファンにとってはまあOKなのだ。本書のカバーで、新潮文庫の「J・アーチャーの本」として記載されているのが、…
シンガポールでの華僑粛清事件も、フィリピンでの飢餓の中での退却、持久戦も、いずれも組織人としての合目的的行動の表れであると。 難しい人をとりあげて、福田節炸裂。 山下奉文―昭和の悲劇 (文春文庫)作者: 福田和也出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 20…
イラクを知らないということが本当によく分かった。あまりに知らないので、何を言っているのか、理解するのが大変。固有名詞も覚えにくいし。「食べる」というところで柔らかくわかりやすくしてあるのかと思ったのだけれど、むしろ何だかとってつけたようで…
赤字国債?公明党?大連立(これはないか)?
弱いもの、社会の底辺に暮らす者に対する優しい眼差しがなかなかいいのだけれど、芸人らしいサービス精神から出た(?)仕掛けが邪魔。 陰日向に咲く (幻冬舎文庫)作者: 劇団ひとり出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2008/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック:…
ジミー・ペイジ…はぁ。
茨木のり子が好きな詩を語る。私のような朴念仁にはこのような手引きがないと詩はなかなか分からない。本書は、今年読んだ本で一番かな。ジュニア向けなんだけど。 詩のこころを読む (岩波ジュニア新書)作者: 茨木のり子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 19…
この人のエッセイは、心休まる。タイトルからは、ネコのことがいろいろ出てくると思わせるが、ネコは表題のエッセイ1編のほかには、ちょこっと登場するだけ。 しかし最近は、コンビニで文庫本を売ってるんだな。儲かるのか? ネコはどうしてわがままか (新潮…
30年前の本。流行の言葉でいえば「スピリチュアルな」世界の影響の非常に大きな人で、私にはついていけないところも多いが、嫌いではない。解説は中沢新一。 地球の果てまでつれてって (文春文庫)作者: 横尾忠則出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1986/03メ…