HONMEMO

読書備忘録です。

2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

全日本食えば食える図鑑/椎名誠

シーナさんの本は久しぶり。 皆が皆ということでもないが、まあだいたいがゲテモノ食いをめぐる恐ろしくもユーモラスなお話で、イソギンチャク、クラゲ、ゴカイ、蜂の子、鮒寿司なんかが登場するのだが*1、それと同列に扱われているのが、「でらうまの謎。」…

死者の奢り・飼育/大江健三郎

久しぶりに本を読む。 水槽に浮かぶ死体の移し替えのアルバイトのアイロニックな顛末 「死者の奢り」 黒人兵をペットのように飼っていた子供が逆に監禁されて… 「飼育」(芥川賞) 脊椎カリエス病棟にやってきたうさんくさい学生をめぐって 「他人の足」 事…

ハイスクール1968/四方田犬彦

著者の世代くらいまでが70年安保、東大紛争といった政治の時代に参加することのできた最後の世代だろう。庄司薫「赤頭巾ちゃん気をつけて」や村上龍「69」などもそうなのだが、何やかや言って私にはちょっと眩しく思える時代であり、世代で、私はこの頃の…

日蝕/平野啓一郎

慶事にかこつけて積読山から取り出して。終盤クライマックスは緊迫感もあってなかなかいいなと思ったけれど、擬古文とも違う工夫になじめず。 芥川賞受賞作 日蝕 (新潮文庫)作者: 平野啓一郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/01メディア: 文庫購入: 4人 …

大宅賞・本屋大賞など

最近、本もあまり読めず、また、情報収集もままならない。久しぶりに少しあちこちみたら、大宅賞やら本屋大賞、ちょっと前には大江健三郎賞なんてのも発表になっていたようだ。 お知らせ : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 城戸久枝「あの戦争から遠く離れて」は…

私家版・ユダヤ文化論/内田樹

ユダヤ人の神は「救いのために顕現する」ものではなく、「すべての責任*1を一身に引き受けるような人間の全き成熟を求める」ものである…。勧善懲悪の全能神はまさにその全能性ゆえに人間の邪悪さを免責する。一方、不在の神、遠き神は、人間の理解も共感も絶…