HONMEMO

読書備忘録です。

2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

氷川清話/勝海舟

エラそうな説教話だけれど、実際エラかった人なのだからまあそんなに腹も立たない。エラそーな注釈が気になるが。江藤淳・松浦玲編。 男児世に処する、ただ誠心正意をもつて現在に応ずるだけの事さ。あてにもならない後世の歴史が、狂といはうが、賊といはう…

ナラ・レポート/津島佑子

先日読んだ高木徹「大仏破壊」からのつながりで、ということでは全くないのだが。村上春樹なんかとともに芥川賞を遣り損なった人として名前の挙がる作家(だったと思う)だけれど、この人も初めて読んだ。 で、轟沈。カバー裏に「時空を飛び交い、様々な時代…

「カラ兄」を読め…高橋源一郎

高橋源一郎の「カラ兄を読め」という記事をどう読むか。「『カラマーゾフの兄弟』は『カラ兄』になっていて、しかも、その文庫の新訳が、ものすごく売れているというのである。」というのは、ひょっとして「スゴ本さん」の影響力によるものか*1? 私は学生の…

東京旅行記/嵐山光三郎

1991年上梓というので、バブルが崩壊し始めた頃のお気楽食べ歩き。2004年に文庫化されるに当たってのフォローアップ付き。 懐かしかったのは、門前仲町の魚三。今(2004年)でもあら煮が50円とは。20年前に行ったときと同じ値段だ。 散歩ガイドブックとして買…

エリザベート/塚本哲也

第一次大戦後ハプスブルク家が崩壊し、最後の皇女エリザベートは社民党に入党、「赤い皇女」と呼ばれ、その幹部ペツネックと結婚、そして…という波乱の生涯を描く。 ペツネックとの結婚に至る辺りまでの物語はエリザベートの奔放な恋物語などもあって面白い…

小林秀雄賞・続

内田樹「私家版・ユダヤ文化論」の小林秀雄賞受賞についての仲俣暁生「海難記」の記事が面白いので、リンクを張っておく。 はてなダイアリー はてなダイアリー

安倍首相辞任表明

立花隆はかねてより安倍総理の健康問題を唱えていたが(早く辞めろという文脈で)、与謝野官房長官もそんなことを言っていたようだけれども、肉体的な病気というより、心の健康問題と考えないと理解不能。 (9/14追記) 立花隆は、健康問題もあるが、週刊現代…

バン・マリーへの手紙/堀江敏幸

エッセイといっても、よくある日記風のお気楽文章であるはずもなく。何かのきっかけから文学作品などへの連想を綴るといったものが多い。メモしておこうとすると際限がなくなりそうなのだけれど、ちょこっとだけ…と思ったが、やはり結構大変そうなので、一部…

ブライトン・ロック/グレアム・グリーン

タイトルと作者の名前とそれぞれに何となく聞き覚えがあって、また丸谷才一訳ということで、読んでみた。 ちょっと調べてみて、タイトルは、クイーンの「シアー・ハート・アタック」に収められた曲のせいで、作者の名前は映画「第三の男」の原作者ということ…

瀬島龍三さん死去

95才…波瀾万丈の後の大往生だな。ご冥福をお祈りします。 臨調委員の頃の瀬島龍三って何だか不気味な威厳というかカリスマ性があったようなイメージがあるし(個人的に)、また、「沈黙のファイル‐瀬島龍三とはなにものだったのか」(タイトルあやふや)なん…

杳子・妻隠/古井由吉

巨星と目されるような日本の作家は、結構読んできているつもりだけれど*1、読んでない作家もまだまだいるのだよな。大江健三郎も読んでないし(うへ)。 今日は、古井由吉を初めて読む。現役作家の中で今一番エライというイメージ*2を勝手に持っているのだが…

小林秀雄賞

内田樹「私家版・ユダヤ文化論」が小林秀雄賞を受賞。小林秀雄賞って、もうちっと堅めのものをターゲットにしてもいいんぢゃないかという気もするが。 などといいながら、「私家版・ユダヤ文化論」は大いに気になっていた本なので、これで新古書店で見つけや…