2021-01-01から1年間の記事一覧
現在、 1 人間の生の有限性 2 地球環境あるいは経済社会の有限性 に向き合わざるを得ない時代状況にある。 世界の人口・経済規模は、拡大・成長と定常化というサイクルを3回繰り返しており、定常化への移行期において、革新的な思想や観念が生成(量的拡大か…
今から50〜70年ほど前、脳深部刺激療法を開発し、精神医学・脳神経医学の分野で一世を風靡したロバート・ヒースという科学者・医師がいた。マッドサイエンティストとの批判を浴び、今では全く忘れ去られた存在に(忘れ去られることとなる直接の原因は、意外な…
2000年上梓の近未来(2002〜2008)小説。日本の経済社会の停滞、閉塞状況の中で、中学生が集団で不登校となり、ベンチャーを立ち上げ、危機感のない日本の金融危機を救い(マッチポンプ?)、希望だけがないこの国を脱出する。 村上龍は、70年安保(「69」)に強烈…
マレー諸島などで鳥類を研究、標本を大英博物館に送り、進化論の確立に貢献したアルフレッド・ラッセル・ウォレスの事績、 大英博物館の標本の疎開先ともなったトリング博物館の主ウォルター・ロスチャイルドの偏執的な生物標本収集、 ヴィクトリア時代の羽…
適正体重(BMI18.5〜25)より前肥満(同25〜30)の方が死亡リスクが低い(長生きする)。 BMI 27程度までは痩せる必要はない。(BMI 27=身長160cm,体重69kg 同170なら78kg) 痩せる必要がある場合には、食事だけでなく、生活習慣そのものを変える必要がある。 ダイエ…
とりあえず図書館で借りたが、作ってみたくなって購入。 →作ってみた。これはうまい。 南インド料理店総料理長が教える だいたい15分! 本格インドカレー 作者:稲田 俊輔 柴田書店 Amazon
違法行為には手を染めていないとはいうが、本人がそう思っているだけで、その時代のコンプラ意識の下ではお目こぼしになっていたという話や、語られていることが真実なら立派に違法行為(のもみ消し)に手を貸しているのではないかというものもあるような。 地…
松浦寿輝で検索して。「千日手」は「もののたわむれ」所収ということなので、読んでいるけど記憶なし。忘れるとまた楽しめるからいいんだと言ったのは誰だったか。 面白いと思ったのは吉田知子「お供え」。名前すら知らなかった芥川賞作家。知ってる方が少な…
1998〜2005年までの講演4本の文章化。表題作だけちょっと異質で、残りはコミュニケーション論。 ・アメリカ人のグローバリゼーションは、自分たちの基準を世界に普遍させること。日本人のいうそれは、日本の習慣・基準を世界標準に合わせること。これを自覚…
江副浩正の評伝。江副浩正という人物、彼が作り育てたリクルートという会社は、相当にいかがわしい面を持っている(江副と親交があり、一時会長を務めたダイエー中内は、社員を集めて、いかがわしくていいんだ、もっといかがわしくなれ!と訓示する)。一方、…
本書初出は1980年、著者72歳の時の上梓。今70を超えて登山をする人は珍しくないが、私などから見ると著者の健脚ぶりは驚くばかり。しかも、雨であろうと夜であろうと、風邪で熱があろうとお構いなし。少しの時間があれば山に行きたくて、着物/浴衣に下駄、草…
幕末の志士のイメージを借り、自由民権運動の活動家となる壮士やその海外版である大陸浪人は、政党の院外団などとして政党システムに取り込まれ、その暴力担当を担う(イデオロギーに関心のない博徒、ヤクザの暴力も政治に大きな影響があった)。(院外団は、暴…
株主利益の最大化を図るのでなく、従業員、コミュニティ、サプライヤー、ベンダー、顧客なども含めた全てのステイクホルダーとともに価値を共有する資本主義、ステイクホルダー・キャピタリズムへのシフトが重要であり、その実現に向けて様々な活動が始まっ…
かつて日本の物価は世界一高かったが、今やディズニーもダイソーもビッグマックも、日本の物価は世界一安い。サンフランシスコでは年収1400万円は低所得というように賃金水準の差も広がる。物価が安いのは賃金が上がらず、購買力が下がり、価格を上げられな…
未来科準備室というのは、河合塾の山本康二、山本尚毅と月刊高校教育編集担当二井豪による編集チームとのこと。HONZレビュアーの山本尚毅は河合塾で「未来研究プログラム」という仕事をしているとか。受験テクニック教育の極北というイメージの河合塾がそん…
マイクロファイナンスで知られるグラミン銀行を創設し、2006年ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス博士が自らの経験をもとにソーシャル・ビジネスを語るもの。受賞直後今から15年ほど前の著作。 ソーシャル・ビジネスには2種類ある。 ・最大利益を追求…
「社会的共通資本」は以前に読んだが、読書の中で最近宇沢弘文の名前や社会的共通資本への言及がいくつかあって、ちょっと復習。 社会的共通資本は、ヴェブレンの制度主義(資本主義と社会主義を超えて人間の尊厳が守られ、魂の自立が保たれ、市民的権利が最…
コーヒーとSDGsといえば、生産国における児童労働や貧困が連想されるのだが、本書はそういう問題点があることも指摘しつつ、むしろ、コーヒー産業が生産国の経済や社会に貢献し、また様々なSDGsに沿う取り組みが行われていることを紹介して、そういった取り…
川崎(登戸)殺傷事件、元農林水産省事務次官長男殺害事件、京都アニメーション放火殺傷事件などの令和元年の事件は、「引きこもり」、高齢化社会、80/50問題などの政治的問題を社会に突きつけた広義のテロリズムであり、高齢ドライバー暴走致死傷事件なども含…
食にまつわるエッセイは星の数ほどあるけれど、本書の楽しさはピカ一だ。 取り上げられる料理は月見うどんやサンドウィッチ、カツカレーなどなじみのものばかり。 それぞれについての著者のこだわりや視点が、押しつけがましくなく綴られる。なんというかdec…
素粒子物理学をわかりやすく説くものとして著名な本。第2章の素粒子の標準模型のあたりまではなんとかついていったが、そのあたりで集中力が落ちてわけわからない状態に。 標準模型で電磁気力と弱い力が統一されそうだが、そこに強い力も含めた「大統一理論…
組織内の人と言いにくい人を「育成」するという言い方が不遜な感じかするのかな。 やってることは、各地で広がりつつあるコミュニティ活動の一類型なのだろう。何事も楽しく取り組むというのはこれからの活動のキーワード。 もしわたしが「株式会社流山市」…
(ビジネス)リーダーに求められる読書はいわゆるビジネス本を読むことではなく、本書に掲げられているような古典であることは疑いなかろう。 人類の残してきた古典の位置付けの解説をした上で、その概略を記すという建て付けになっている。 なかなか今から古…
地方と低所得者への雇用機会の提供を通じた再分配と減税による中所得者層への所得還付という土建国家モデル(稼ぎがセーフティネット)が破綻、セーフティネットが空洞化する中で、人とのつながりと山水の恵み、それを生かす手業・知恵が揃うことによって、安…
・国民の間にわかりづらいとの声がある。 ・〜という指摘がありますが、受け止めを。 ・(野党は・・・と批判した、でなく、)「野党は反発」。 といったような紋切りですませる報道の堕落。 政局報道より、論点に沿った国会報道をするべきだ、という主張はそ…
福島に一生とどまることを希望するキャリア官僚、デブリの取り出しなどに取り組む技術者、食堂などのバックヤードで働く人々や作業員、入社と同時に加害者となる東電新人社員、それぞれの複雑な思いの中の誇りと使命感。 事故の責任は東電にあり、批判され、…
美術家李禹煥の評論集。「13歳からのアート思考」でいう「探究の根」を李禹煥自らが解説し、様々なアートととどのように向き合ったかを語る。 ・絵画にせよ彫刻にせよ、自己のエゴで全てが決定される作品は、閉じた意味の塊になりやすく、生きた感じが出にく…
社会的インパクトの大きさで言えば田中角栄研究だろうが、個人的には、宇宙からの帰還。 そのほか、何冊の著作を読んだろうか?青春漂流、天皇と東大なども印象深いものだった。 サイエンスの応援団というイメージもある。 ご冥福を。
SARS、新型インフルエンザなどの経験がありながら、危機管理体制が不十分だった(政府側の言い方では危機管理を重要視する文化が醸成されてこなかった)ために、新型コロナの初期対応において、専門家たちはリスク分析・評価の役割を超えて「前のめりに」行政…
健常者としての記憶が刻まれた体で障害のある体を生きる人は、一つの物理的な体の上で、健常者と障害者の体が重なり、固有のパターンを生み出す。多重人格ならぬ多重身体。そのありようは様々。幻肢、幻肢痛は、脳が記憶している手や足の動きと現実の手や足…