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読書備忘録です。

貧困のない世界を創る/ムハマド・ユヌス

マイクロファイナンスで知られるグラミン銀行を創設し、2006年ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス博士が自らの経験をもとにソーシャル・ビジネスを語るもの。受賞直後今から15年ほど前の著作。

ソーシャル・ビジネスには2種類ある。

・最大利益を追求する通常の企業と異なり、貧困削減、貧しい人へのヘルスケア等社会的利益を追求し、当初のコストを回収した後は、利益配当は行わず、事業拡大のための再投資に使うというもの。

・貧しい人、恵まれない人により所有される利益最大を追求する企業。

ソーシャル・ビジネスとして通常思い浮かぶのは最初の類型で、グラミン・ダノンなどの実際が紹介される。

また、ソーシャル・ビジネスのストックマーケットの必要性なども説かれる。

実際に貧困の減少につながっていて説得力があるし、素晴らしい取り組みだと思うのだが、本当にこのビジネスが持続可能なのか、もう一つ腹落ちしない。

ただ、このようなビジネスが拡大することには期待もするし、単に寄付をするくらいなら、ソーシャル・ビジネスに投資をしたい。