HONMEMO

読書備忘録です。

2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

風味絶佳/山田詠美

山田詠美はベッドタイムアイズのほか、一つ二つを読んで以来、しばらく読んでいなかったけれど、本作は私の山田詠美のイメージを一新するものだった。短編小説の正統という感じ。山田詠美と正統っていうのは似合わないようにも思うのだけれど。谷崎潤一郎賞受…

三島由紀夫賞、山本周五郎賞ノミネート作発表

お知らせ : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 三島賞は、いしいしんじ「ポーの話」、古川日出男「LOVE」、芥川賞候補になった西村賢太「どうで死ぬ身の一踊り」など。周五郎賞は、阿川佐和子「スープ・オペラ」、福井晴敏「Op.ローズダスト」、伊坂幸太郎…

NHKプレミアム10「サイボーグの衝撃」

TV

サイボーグと言えば、私らの世代では009などになるのだけれど、未来のSFの世界ではなくて、現実に様々な形で「サイボーグ」の研究開発が進んでいることが分ってまさに衝撃的だった。立花隆がサイボーグに関心を持っていることは知っていたけれど、私自身があ…

ぶらんこ乗り/いしいしんじ

本当に小説、物語が好きだという人に好まれる本なのではないかなと思う。近著も好評のようで、私のイメージとしては、この作家にこそ、本屋大賞授賞がふさわしいという感じもするのだが。ただ、私自身はこの作者の本を追っかけようという気にはならないなあ…

中陰の花/玄侑宗久

微塵より更に細かい極微(ゴクミ)の偏在という成仏の概念、妻圭子の作る紙縒りの網(中陰の花)のイメージなど、ワカランながらも、う〜んなかなかだなあと思った。冒頭の夢のシーンもいい。 芥川賞受賞の表題作のほか、「朝顔の音」を併録。 中陰の花 (文春…

9条どうでしょう/内田樹ほか

内田樹、町山智浩、小田嶋隆、平川克美による憲法論。いずれも結論は9条改正不要というものだけれど、もちろん旧社会党的な教条主義的議論とは違って、なかなか面白かった(平川のものがもう一つピンと来なかったけど)。内田樹の考え方は、加藤典洋「敗戦後論…

新日曜美術館

TV

これまた藤田嗣治をやっていたのだけれど、ゲストというのか解説というのかが立花隆だった。途中からみたので何で立花隆が出てきたのかがよく分らなかったのだけれど・・・何で?

かもめ食堂

気持ちのいい映画だった。恵比寿ガーデンプレイスにて。小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ3人のために作ったような映画だ。舞台が夏のヘルシンキなのだけれど、冬になったら全く違う世界になるのだろうな、などと関係のないことを考えていた。良い映画だけ…

藩校早春賦/宮本昌孝

江戸時代、3人の少年達の成長物語。全体としてみれば清々しく、いいお話なのだけど、部分的にはマンガチックなプロットとかありきたりなところがあって、もう一つ。例えば、この物語のラスト 「おっ、駒込川までか」 「やるか、太郎左」 「おお」 新吾と太郎左…

NHKその時歴史が動いた「白洲次郎」

TV

2、3日前の再放送を録画しておいたものを見た。TVドキュメントにするとまあこんな感じになるんだろう。いや別に悪くはないのだけれど、何か一面が強調されるという感じがしてしまう。ゲストの北康利が堂々と、またやけに場慣れしている感じで恐れ入った。

大宅壮一ノンフィクション賞、新田次郎賞発表

大宅賞は、奥野修司「ナツコ 沖縄密貿易の女王」(文芸春秋)と梯久美子「散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道」(新潮社)、新田次郎賞は、真保裕一「灰色の北壁」(講談社)だそうだ。

名画読本・名画読本日本画編/赤瀬川原平

私は生来美的な感覚に乏しいというのか、絵を描くのは下手だし、絵画の鑑賞も嫌いではないけれど、しばしば展覧会通いをするわけでもない。でもやはりこの絵はいいとか詰まらないとかはそれなりに感じるわけだけれど、そのどこがいいのかといったことを分析し、…

近頃見た映画、DVD

ここ2ヶ月位の間にみた映画を、DVDで見たものも含めて、まとめてメモしておくことにする。 [映画]メゾン・ド・ヒミコ 柴咲コウは、恨みがましい目がとてもいい女優だと思う。オダギリジョーの持つ独特な雰囲気が良く出ていた。 [映画]パッチギ! 日韓関係、ベ…

本屋大賞、中央公論文芸賞

本屋大賞は、もはや旧聞に属するけれど、備忘のため。恒例のメッタ切りはこちら。 大賞 『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』 リリー・フランキー(扶桑社) 2位 『サウスバウンド』 奥田英朗(角川書店) 3位 『死神の精度』 伊坂幸太郎(文藝春秋…

ドーナッツをくれる郵便局と消えゆくダイナー/ビル・ブライソン

20年ほどを英国で暮らして米国に戻ったコラムニストが見た米国。米国の日常生活がユーモアたっぷりに綴られる。米国をこのような裕福な白人の生活の面だけで見ると間違う部分もあるのだろうけれど、一つの典型ではあろう。 ドーナッツをくれる郵便局と消えゆ…

23分間の奇跡/ジェームズ・クラベル

敗戦国(おそらくはアメリカ)の学校に来た戦勝国からの先生の「最初の授業」23分間で、子供達はどのように変わったか。邦題は「奇跡」としているけれど、別に奇跡でも何でもないように思える。子供の心がvulnerableであるということは比較的常識に属するこ…

藤田嗣治ドキュメンタリー

TV

今日NHKで、1時間15分の番組。昨日はテレビ東京「美の巨人たち」で藤田を取り上げていて、これを録画したものに続けて見た。いずれも良い番組だった。「美の巨人たち」は来週の後編も楽しみ。

藤田嗣治展、逢坂剛、靖国神社

花見がてらに、東京国立近代美術館藤田嗣治展へ。開館時刻直前に行くも長蛇の列で唖然とする。藤田って人気者だったの?私も近藤史人のノンフィクションを読むまで、名前しか知らなかったみたいなものだけれど、私が行こうと思うくらいだから、みんな行くって…