2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧
北上次郎が絶賛していて、何年か前の「本の雑誌」のベスト1になっていたはず。そんなことで、ちょっと期待しすぎたかもしれない。面白いは面白いが、ちとダラダラと長すぎる。何か散漫な印象なのだなあ…もっと騎手ポラードとシービスケットに絞ってもいいよ…
三島賞、山本賞候補作発表 三島由紀夫賞、山本周五郎賞の候補作が発表された(記事)。 三島賞 西川美和『ゆれる』 本谷有希子『生きてるだけで、愛。』 柴崎友香『また会う日まで』 いしいしんじ『みずうみ』 佐藤友哉『1000の小説とバックベアード』 …
朝日新聞だかに連載されたコラムをまとめたものらしい。ぐふふふと笑ってしまう。こういう見方をすることが複眼的思考につながるのだろう(複眼的思考そのものと言っていいのかもしれない)。 解説は松浦寿輝(!)で、宮沢が「サーチエンジン・システムクラッ…
批判的に読むこと、批判的に議論し、書くこと(代案を示すこと)、問いを立て、問いを問うことなど、「偏差値教育」などを実例として、常識にとらわれずに自分の頭で考える思考法を、丁寧に、わかり易く、実際的に説く。 この本だって、批判的に読み、批判的…
昨日、けちょんけちょんにけなした感想を書いたけど、後で見てやはりあまり気持ちのいいものでないので、削除した。なるべくいいところを見つけてメモしておきたいものだ。(4/23) 帝都東京・隠された地下網の秘密 (新潮文庫)作者: 秋庭俊出版社/メーカー: …
プロローグ「心ときめくミームたちを求めて」は、日本人の教養の現状を憂い、教養の持つ力、面白さ(教養そのものではなくて)を伝えていきたいという著者の力強い宣言だ。 およそお上品とは言い難く、時に過激に攻撃的だったり、決めつけ的なところのあった…
多田道太郎による日本文化論の名著として名高いが、品切れor絶版のようだ。女性の慎み深いしぐさとか、取り上げられているしぐさ・身振りのいくつかは、西洋化など社会の変化の中で消えてしまっている。 しぐさの日本文化 (角川文庫 白 254-1)作者: 多田道太…
若い読者に向けて語りかけるような文体で書かれているけれど、こんな唯我独尊的な文章の果たしてどれだけが読者のこころに届くのだろうか。特にオレ様ニートなんかあっという間に放り出してしまうのではないか。「自立」の困難だかなんだか知らんけど、読む…
カバー裏に「前人未到のメタ・ミステリー」とあって、「前人未到」というのは「前代未聞」の誤りかなどと思いつつ、それはともかく「メタ・ミステリー」といった途端にネタを割ってるだろっ!と思いながら読んだのだが、とんでもない、解決編に至って愕然と…
表題作のほか、「沈黙のアリバイ」「囚人のジレンマ」「密室の抜け穴」「ペルソナの微笑」「モノクロームの反転」の計6編。「クライマーズ・ハイ」も面白かったが、横山秀夫は、「陰の季節」「動機」と同じ系譜の本書のような警察ものの短編がやはり一番か。…
大宅賞は、佐藤優「自壊する帝国」と田草川弘「黒澤明VS.ハリウッド」と発表。佐藤優は「国家の罠」を面白く読んだけれど、やはり何だか生理的に好きになれないのだ。大宅賞受賞作はハズレなしと個人的には信頼している賞なのだけれど、佐藤優の作品は積極的…
明治の実在の人物が、錦絵から飛び出したかのように、縦横に活躍する大活劇6編。それぞれの人物の実際のエピソードを踏まえながらも大胆な空想をめぐらせて、楽しい作品だ。川路利良がフランスの列車内で脱糞してそれを窓から投げ出したというのは、司馬遼…
東大教養課程の理系の学生を対象とした地球物理学/天文学(正確にはアストロバイオロジーというそうな)の講義録。前書きで、著者は、この講義で語りたかったのは、「この世界は普遍か」という問いだとし、文明論や哲学的な視点も織り込んで準備したが、対象…
山田昌宏の「希望格差社会」を読んだので、そのつながりで読む(参考)。佐藤学、苅谷剛彦、諏訪哲二、山田昌宏らの受け売りばかりで、自らの創見と呼べるようなものはほとんどないと述べているが、そうであるにしても面白く読める。 末尾の対談で、内田が、…
受賞作は、佐藤多佳子「一瞬の風になれ」。本命が受賞。あまり読もうという気が起こらない本ではある。そういえば、本屋大賞の受賞作って読んだことがないな。 www.hontai.jp – このドメインはお名前.comで取得されています。
善行(反核運動、憲法擁護、ボランティアとか)や著者の言うところのコマーシャリズムが内包する『偽善』を問うていて、共感するところも多いのだけれど、その告発調の文体というのか何というのか違和感がすごく大きくて、読みながら不快感が募ってげんなり…
時代屋の女房は直木賞受賞作。う〜ん。何とも言えない味があるなあ。私の買った角川文庫(昭和58年初版)は、夏目雅子と渡瀬恒彦の映画のスチールがカバー表紙に使われているが、あまり映画向きの作品ではないように思うけれど。 時代屋の女房・泪橋 (角川文…