HONMEMO

読書備忘録です。

2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

訂正可能性の哲学/東浩紀

政治が目指すべき公共性は、訂正可能性の場としても構想されなければならない。政治の理想は、過去をリセットするのではなく、過去の不条理をある程度許容しつつ同時に常に訂正可能性に開いていくような、持続的な運動を経由して実現されるほかない。 落合陽…

ぼっちな食卓/岩村暢子

「共食」の価値は、家族が揃ってワイワイ食べる食卓コミュニケーションもさることながら、食事を自分以外の人の好みや体調を気にかけて用意したり、他の人に合わせて好みでないものを食べることで、意図しないうちに個々の健康に寄与することにある。それが…

ノイエ・ハイマート/池澤夏樹

ホムス(シリア)からストックホルムへの難民行取材をモチーフとした連作の合間に、満州からの引き揚げ、コソボ紛争、パスポートを持たないレバノンのスナイパーの日本での生活などの短編や詩が織り込まれる企みのある構造。 小説はさっぱり読まなくなったが、…

哲学のはじまり/戸谷洋志

哲学の入門書は何冊か読んだけれど、その中でもべらぼうにコンパクトで、とっつきやすいものだろう。 哲学は当たり前を問い直す学問だから、そのために特殊な言葉遣いをすることになり、「哲学はちょっと何言ってるのか分からない」ことになる。ただ使われて…

ヒトラーの馬を奪還せよ/アルテュール・ブラント

ナチス崩壊とともに破壊されたと考えられていたヒトラー総統官邸前の巨大な2体の彫像が売りに出されている?著者は美術商であり、警察に協力する美術探偵?でもある。その彫像は贋作か、本物なら誰がどのような経緯で所有しているのか?売り手は、どのような…