2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧
「開いた窓」ほか20編を収載。 先頃読んだ「倉橋由美子の怪奇掌編」の解説で、北杜夫がサキの短編を思い出させると書いていて、そういう作家がいたなと思いだして。オー・ヘンリーと並び称される短編の名手ということだが、オッという鮮やかなオチがあると…
こんなに大きな物語があったのか。「百年にわたる一族の大河小説」とかいうのでは、小さすぎてこの物語の説明にならない。 人がサグラダ・ファミリアを初めて見たときに感じる衝撃に似ている*1と言ってもいいかもしれない。 一文が長いのは翻訳のせいではな…
日経の「私の履歴書」を再構成したもののようだ。もう15年も前に書かれたものなのだなあ。新潮新書「野垂れ死に」って一体何だったのだろう。 碁打秀行―私の履歴書 (角川文庫)作者: 藤沢秀行出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1999/04メディア: 文庫この商品…
茂木健一郎「脳と仮想」で紹介されていて興味をもったので。 先生、それはちょっとこじつけでは…といったようなところが、すごく面白い。壮大なファンタジーのような科学というか、生命科学をもとに空想(といっては言い過ぎか)を広げるその思考がきわめて…
なんでしょうね、これは…。嫌いじゃないけど、ここまで行くとついていけないな、あたしゃ。解説は南伸坊。 椰子・椰子 (新潮文庫)作者: 川上弘美,山口マオ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2001/04/25メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 17回この商品を含むブ…
怪奇掌編20編。挿絵もいい。解説が北杜夫。 倉橋由美子は、本書と同様のテイストの「大人のための残酷童話」ともう一冊何か読んだ記憶があるのだが、思い出せない。パルタイとか聖少女といった有名どころではなかったことは確かなのだが。聖少女が復刊された…
最近、シネマ歌舞伎というメディアで「野田版研辰の討たれ」やら「鼠小僧」やらを楽しく見て*1、ちょっと私的に歌舞伎ブームなこともあって、積んであった本書をひっぱりだして読んでみた。 なんと、三島賞の選考に当たって、石原慎太郎、筒井康隆、宮本輝の…
web上に本の雑誌のベスト10(ノンジャンル&文庫)がupされていた。文庫の2位、萩原延壽『遠い崖』というのは、副題にアーネスト・サトウ日記抄とあるのだが、随分と大部になっているけれど、どうだろう。サトウの「一外交官の見た明治維新」はすごく面白い…
新潮文庫が月に2冊づつ「人生で二度読む本」として、(いわゆる)名著を復刊させているのは、とても良い(ありがたい)企画だと思う。その一冊。 個性とは。自由とは。死とは。全体、必然、宿命とは…。劇、演戯、祭司…。 坪内祐三、佐伯彰一が引用している部…