HONMEMO

読書備忘録です。

2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

人類が消えた世界/アラン・ワイズマン

人類が突然消えたら、都市は、森林は、農場は、コンビナートは、原発はどうなるか?という話。メンテナンスの必要な施設は暴走し、人類の与えている負荷がなくなることによって様々な方向の影響が生じる。 ヒューストンの真下にある岩塩ドームにエチレンガス…

キャパになれなかったカメラマン/平敷安常

著者は、米国ABCのTVカメラマン(フォトグラファー/フォトジャーナリスト)。キャパになれなかったカメラマンとは、自身のことを言っているのだが、本書は、著者のベトナム戦争を中心とした戦争カメラマンとしての活動の記録というよりも、ベトナム戦争にお…

当事者の時代/佐々木俊尚

日本の報道は、学生運動や市民運動の歴史的な流れの中で、当事者性を忘れて、マイノリティに憑依することによって、神の視点*1から批評を行うようになったと。市民運動及びその報道に、なんとはなしのいかがわしさを感じるのは、そんなところにもあるのかも…

「アメリカ社会」入門/コリン・ジョイス

イギリス人からみて、日本も変だが、アメリカの方がよほど変だと。 アメリカがスタンダードだと考えがちなのだけど、やはりアメリカは変なんだ。 以下Amazonからコピー 出版社からのコメント ○ 「ありがとう」の返礼が、なぜ「たしかに」なの? ○ スポーツは…

宇宙戦争/H・G・ウェルズ

1898年上梓というから、明治30年の作。宇宙戦争というタイトル*1から、スターウォーズ的なものを想像したが、むしろマーズ・アタック。タコあるいはクラゲのような火星人というイメージは本書からなのかな? アーサー・C・クラークのイントロダクションがつ…

世界を、こんなふうに見てごらん/日高敏隆

2009年、著者が亡くなる直前に書かれたエッセイで、あとがきを書く前に亡くなったようだ。メッセージ性の高い文章になっている。 人間は真実を追究する存在だといわれるが、むしろ真実でないこと、つまりある種のまぼろしを真実だと思い込む存在だというほう…

ネクスト・ソサエティ/P・F・ドラッカー

2002年上梓のロングセラー。今頃読んでどうなのかと思ったが、特に違和感なし。10年さして世の中変わってないということか?トフラー「第三の波」も読むかな… 来るべき社会は、知識社会 知識労働の生産性の向上が重要 経済より社会の重視 NPOの果たすべき役…

街場の大阪論/江弘毅

大資本によるチェーン展開の店はつまらない、「知っている」店がいい、というお話がしつこく繰り返される。そりゃそうでしょ。 大阪についての本を2冊続けて読んだが、いずれもさっぱり…。 街場の大阪論 (新潮文庫)作者: 江弘毅出版社/メーカー: 新潮社発売…

大阪学/大谷晃一

第1章から5章までが大阪の風俗(いわゆるフーゾクではなくて)について、そのあとは、楠木正成、蓮如、信長・秀吉、西鶴、上田秋成、契沖、山片蟠桃、織田作之助、武田鉄太郎、宇野浩二などの人物論が中心で、なんだか中途半端。 大阪学 (新潮文庫)作者: 大…

東京少年/小林信彦

昭和19年から埼玉への集団疎開、終戦後新潟県の遠い縁戚の家で、東京への思いを募らせながらの暮らし。 解説は坪内祐三。 東京少年 (新潮文庫)作者: 小林信彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/07/29メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 13回この商品を含…

ヴェニスの商人の資本論/岩井克人

書下ろしの表題作のほかに、1982〜84年に様々な媒体に発表された文章を集めたもの。表題作のほかは、岩井克人氏の(たぶん)主たる業績たる不均衡動学をはじめとする経済学をめぐる比較的専門的な文章と、柄谷行人の書評などで、私にはちょっとついていけな…

ローマ世界の終焉 ローマ人の物語41〜43/塩野七生

長い物語が終わった。まあ普通の文庫本の体裁にすれば15冊くらいのはずで、著者の変なこだわりで薄っぺら文庫43冊ってのもどうなの?カエサルやハンニバルのあたりが一番面白かった。半分からあとは惰性で読んだという感じ。 ローマ人の物語〈41〉ローマ世界…

毛沢東の大飢饉/フランク・ディケーター

1960年前後の大躍進政策の実情を、なお限定的ながら入手できるようになった、とう(木へんに当)案館と呼ばれる公文書館の資料を中心に明らかにしたもの。これまで、死者3200万人といったデータもあったが、4500万人に上るという。一人一人の死は重いといっ…