2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧
チェコ初代大統領となったハヴェルによるパンフレット。反体制運動「憲章77」の直後、78年の出版。その後も弾圧を受けて、ビロード革命に結実するのは89年だ。 東欧型権威主義的中央集権体制(ポスト全体主義)のイデオロギーに沿った「嘘の生」ではなく、アイ…
ドイツでは一人一人に考えさせるが、日本の道徳教育は、みんなで考え、決めつけない。これはかつての価値観の押し付けが戦争を引き起こしたという過去の反省によると。 道徳性とは、自分を客観視すること、自分の中にいる第三人称の自分から自分を客観的に見…
サトウとホーズとの共編著「中央部・北部旅行案内(明治日本旅行案内)」とサトウの「日本旅行日記」から山岳に関する記述を編訳したもの。 前者は実務的で面白みがないが、後者はサトウの目から見た批評(案内人がろくでもないとか)があって、それなりに楽しめ…
人は自分の信念を裏付ける証拠はすぐに受け入れるが、反対の証拠はなかなか受け入れようとしない(確証バイアス)。したがって、反対の意見を持つ人を説得しようとするときは、間違っているという証拠を突きつけるのではなく、共通点に基づいて話をするのが効…
著者らしらかぬ、というのも変な言い方だが、リーダビリティの高いエンタメど真ん中の分かりやすい小説。 奨励会で挫折した主人公の大叔父は、駒師としての志半ばにしてシンガポールで戦死。主人公は、大叔父「玄火」作の「無月」の駒が残されていないかを追…