HONMEMO

読書備忘録です。

2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

東京するめクラブ 地球のはぐれ方/村上春樹・吉本由美・都築響一

村上春樹ら3人の「ちょっと」変なところ旅行記。…名古屋、熱海、ハワイ、江ノ島、サハリン、清里。先頃読んだ椎名誠の「全日本食えば食える図鑑」での名古屋の食の衝撃から、「まずは魔都・名古屋」という帯に魅かれて購入。へたれた感じも楽しみ方次第。 東…

古道具中野商店/川上弘美

それまでに登場した人物全員が次々と現れては消え、最後にタケオが登場して…というラストは、様式に則った戯曲を見るような快感がある。 古道具 中野商店 (新潮文庫)作者: 川上弘美出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/02/28メディア: 文庫購入: 5人 クリッ…

イサム・ノグチ/ドウス昌代

《私は東洋と西洋の二つの世界の融合である。そして、さらには両世界を超越する存在でありたい。》 とイサムはつねに願った。 かつて日米を制覇したいと胸をこがすように望んだ明治人米次郎の夢は、アメリカ女性レオニーを妻にしなかったことで、逆に、二人…

三島由紀夫賞・山本周五郎賞発表

三島賞は田中慎弥「切れた鎖」、山本賞は今野敏「果断 隠蔽捜査2」と伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」と発表。 お知らせ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

福翁自伝/福澤諭吉

愛すべき呑んべえ。 諭吉が学んだ適塾の塾風は、現在の慶應義塾の塾風*1というよりは、旧制高校の生徒に引き継がれたという感じ。 学問・言論の自由、大学の自治と権力との関係をみるとき、福澤の生き方は、一つの理念型なのだろう。 新訂 福翁自伝 (岩波文…

環境問題のウソ/池田清彦

ちくまプリマー新書という中高生向け(多分)のシリーズの一冊。地球温暖化って本当なのか、ダイオキシンの危険性ってどうなのか、ブラックバスの駆除ってどうなのよ、昆虫採集禁止って意味あるの?これは若い人が読んで、常識のように言われていること、正…

ビゴーが見た日本人/清水勲

ビゴーの風刺画百点。 ビゴーがことさら日本人の容貌の醜悪さを風刺して描いたのは、日本の非近代的側面を強調することによって条約改正が時期尚早であると主張しようとし、それには貧相と非近代化をこじつけることが最も理解されやすいと判断していたからで…

慶應三田会/島田裕巳

私はまあ特に慶應と関わり合いはないのだが。 著者ご本人は、真面目な「研究」のように書いているけど、できの悪いエッセイみたいなものだな。何でこの人がこのテーマなのというところも含めて、まあ不思議。 慶應三田会―組織とその全貌作者: 島田裕巳出版社…

生きがいについて/神谷美恵子

神谷美恵子は、恥ずかしながら坪内祐三「考える人」ではじめて知って。そんなことでもなければ、「生きがいについて」なんて気恥しいタイトルの本を手に取ることはなかっただろう。 真摯な思索の記録。著者のことをもっと知りたくなる。「考える人」で言及さ…

サーチエンジン・システムクラッシュ/宮沢章夫

芥川賞候補になった表題作のほか、「草の上のキューブ」。 「ここではありません」というドアの貼り紙とか、「生きているのか、死んでいるのかわからない、その曖昧さに耐えられるか。」とか、実学ならぬ「虚学」とか、ここはどこ、私は誰っていう感じのちょ…