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読書備忘録です。

戦狼中国の対日工作/安田峰俊

最近の中国の極めて攻撃的な主張や自国を過剰に賛美したり、ディスインフォメーションの流布を繰り返す「戦狼外交」や「海外派出所」を通じる対日工作は、したたかな中国の表れなのか。

戦狼外交を担う外交官の多くは田舎者気質の迎合的出世主義者であり、脇の甘いところがある。また海外派出所の工作員も通例現地の普通の中国人が動員されており、人材の質は低く、訓練された工作員というイメージからは遠い。

国力の充実を背景とする高度な国民監視網に支えられた全体主義国家の対外工作とプロパガンダという戦狼中国のイメージがあるが、現場の人材のレベルは低く、意思決定も農村土豪的なものであることが多い。

戦狼中国の弱みは、持続可能性が低いことで、習近平が欠けるあるいはその威信が低下するだけであっさりと崩壊するように思える。なので今は、戦狼中国に正面から相手をするのではなく、その攻勢をのらりくらりとかわしながらしばらく我慢して待つことだと。