2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧
遠野物語拾遺を合わせて収録。民俗学の事始めみたいな本として知られる書で、学術的な資料としては興味尽きないものがあるのだろうけれど、それぞれが数行から2ページくらいの挿話なものだから、目次を眺めているようで、へぇと思うものはあれど、興味が膨ら…
父幸田露伴を看取るまでをしるす「父―その死」、父と娘の日常を書く「こんなこと」の2編。幸田文は、概ね私の祖父母の世代。その時代らしさを感じ取る面白さもあるけれど、一方で、偉大な父と勝気な娘の交情が一人の娘としての目から書かれていて、時代であ…
人気作家伊坂幸太郎のデビュー作。ラッシュライフとこれの2作しか読んでいないが、本書の方がいい。 支倉常長であるとかリョコウバト*1なんかのもつ不思議な魅力をうまく使っているなあと思う。でも何かもの足りない感じがする。これまでに上梓されている他…
自らの不貞がもとで精神に異常を来した妻の狂気の姿も、みずからの心のうちも、あまりにもあからさまに、また凄まじく描かれていて、小馬鹿にされがちな私小説の力というものを見せつけられるようだ。 どっと疲れる。 死の棘 (新潮文庫)作者: 島尾敏雄出版社…
30年近く前のギョーカイを舞台とするコン・ゲームもの。コン・ゲームものではジェフリー・アーチャー「百万ドルをとり返せ」を超えるものに出会えないなあ。最高に面白いコンゲームものが読みたい! 紳士同盟 (新潮文庫)作者: 小林信彦出版社/メーカー: 新潮…
集英社新書3部作とかで終わりかと思っていたが、あまりに売れて、おまけということだろうか。しかし、これは、これまでの3冊以上に面白い。 いくつかメモしておこうかと思ったが、一部だけ書いておくのも何だかバランスが悪いので、やめておくことにする。社…