2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧
副題は、会津人柴五郎の遺書。会津藩は、明治維新に際して朝敵として討伐され、下北に移封される。著者はその頃まだ幼く、祖母、母、姉は自刃、下北では、極寒極貧の生活を強いられる。その後、様々なつてを頼って陸軍幼年学校(の前身)に入学し、のちに陸…
3部作合計で、文庫版6冊3000ページに及ぶ長編エンターテインメント。謎解きミステリー、サスペンスドラマ、バイオレンスアクション、リーガルサスペンスなどありとあらゆるエンターテインメントの要素を盛り込んだ、著者の処女作にして絶筆の大作。 首から腰…
商店街の成り立ちを新書というメディアの制約はありつつも、多角的に丁寧に分析・説明している。ただ、これからどうするのかという提言部分は、「地域の協同組合や社会的企業に営業権を与える仕組み」とか「地域の協同組合に対して小売免許を与える」とか、…
ハーバード白熱教室といえば、サンデル教授のコピーだが、サンデル教授の教室がディベートによって白熱するのに対し、北川講師(?)の教室は、エンタメ・プレゼン能力の競争により白熱する。特に、KYOTOの講義がそうだが、著者自身、「日本史」を教授するこ…
生産年齢人口の減少、超高齢化の中で、内需を拡大していく対策を講じていくことが重要だと(マッツァリーノ氏のいう銀行系シンクタンクのスーぺーとはちょっと違う。)。 (著者が政府の審議会の委員のようなものを務めるようになったからか*1)高齢者からの…
副題をつけるとすると、「いい加減のすすめ」といったところだろうか。依存のススメ、江戸時代礼賛的なところなど、斜に構えた物言いなれど、ものの見方を考えさせられるところがいろいろある。 スタンダード 反社会学講座 反社会学講座 (ちくま文庫)作者: …
表題作のほか、「自伝」「口癖」「午前五時の侵入者」「静かな家」「秘書課の男」 いずれもハッとするようなオチというかひねりがあって、短編の一つのお手本のような。 看守眼 (新潮文庫)作者: 横山秀夫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/08/28メディア:…
男女の危機を通奏低音とした短編集。 夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫)作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,土屋政雄出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2011/02/04メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 19回この商品を含むブログ …
20年前のベストセラー。バブルが崩壊して、こういう本が読まれるけれど、モノの呪縛を解くのは容易ではなく。 いずれ徒然草をゆっくりと。西行も。 清貧の思想 (文春文庫)作者: 中野孝次出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1996/11メディア: 文庫購入: 3人 ク…
初期の短篇集。「図書館奇譚」は、世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドの習作のよう。 カンガルー日和 (講談社文庫)作者: 村上春樹,佐々木マキ出版社/メーカー: 講談社発売日: 1986/10/15メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 120回この商品を含むブロ…
副題にベランダ農園から定年帰農までとあるように、国民皆が何らかの形で農と関わる「市民皆農」を提言する。団塊の世代が大量定年を迎える2007年問題などと言われた年から5年経って、「定年帰農」はどうなっているだろうか。地方の集落を支えるのはいずれに…