HONMEMO

読書備忘録です。

2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ねむれ巴里/金子光晴

私には詩が分る素養がない。だから詩人のこともほとんど何も知らない。金子光晴で知っているのは「おっとせい」という一編の詩だけだ。 パリで貧窮生活を送る詩人のエッセイなのだが、詩人というものは経済力とか社会との適応みたいな所に重きを置かず、その…

神々の指紋/グラハム・ハンコック

冒頭から何やら胡散臭そうだと思ってしまったために、斜め読みをしたので、私に論評する資格はない。ただ、一言言えば、胡散臭くても面白く読める本もあるのだけれど、この本(というよりこの作者と言うべきかもしれないが)とは、相性が全く合わなかった。 …

山本周五郎「さぶ」の表紙が劇画調に

周五郎の「さぶ」は、私の大好きな小説だ。先日書店で平積みされていた新潮文庫の表紙を見て愕然とした。何だか訳のわからないPOPも立っていた気がするがもはや記憶にない。劇画調の表紙は、内容と全く不釣合い、全くミスリーディング。こんな表紙だったら私…

薔薇窓/帚木蓬生

1900年頃のパリ万博開催時のパリを舞台としたフランス人精神科医ラセーグと曲技団から売られた日本人娘音奴を主人公とするサスペンス・ロマン。主筋たる連続失踪事件や音奴の巻き込まれた事件のサスペンス/ミステリーとしての筋立ては甘いと言うべきだろうし…

勝者の混迷〜ローマ人の物語6・7/塩野七生

ポエニ戦争後カエサル登場までの、グラックス兄弟の改革、スパルタクスの乱、ポンペイウスの活躍などの時代。これらのエピソードはそれぞれ一つ一つで一冊の本になるのだろうけれど、つぼを押さえて簡潔に記述されていて、素晴らしいやら有り難いやら。マリ…

コインロッカー・ベイビーズ米国で映画化

http://www.excite.co.jp/book/news/00021120488467.html?l=1 なんとまあ。何考えてんだろ。ろくなものにはならないだろうな。好きな本だけにやめてくれっと叫びたくなる。どうせ見ないから関係ないけど。村上龍が監督してるわけじゃないから期待が持てるか…

パーク・ライフ/吉田修一

臓器を納めた人体のイメージが散りばめられる(日比谷公園も臓器で構成される人体に見立てられる)。といって、ホラー味があるわけでなく、カラッと乾いた雰囲気。そんな中で、主人公とスタバ女と、主人公と友人夫婦と、あるいは友人の夫婦関係自体の微妙な…

流言・投書の太平洋戦争/川島高峰

著者の文庫版あとがきによれば、高い評価を受けた本なのだそうなのだけれど、何だか中途半端な本だという感じが否めない。流言・投書という庶民の生の声が思ったより少なくて、戦争中の比較的常識的に知っているような出来事やら政府プロパガンダと事実との…

火の粉/雫井脩介

【ネタバレ注意】何だかよく分らんちん、へんちくりんな本。骨格となる設定に無理があるのか、あるいはそれを無理なく説明するための伏線がいい加減なのか。 夢中にして読ませる力のある本なのだけど、ずっとイヤ〜な感じがつきまとう。 武内って男は何のた…

光抱く友よ/高樹のぶ子

芥川賞受賞の表題作のほか、「揺れる髪」「春まだ浅く」の2編を収録。表題作は、大学教授の娘で優等生の主人公とアル中の母親を持つ貧しい不良少女との友情を、「揺れる髪」は母娘の関係を描く。心理描写がすばらしい。「春まだ浅く」は、愛と肉体を書くが、…

芥川賞・直木賞候補作発表その2

メッタ切りのお二人の予想。ふ〜ん。 http://www.excite.co.jp/book/news/00021120718626.html 芥川賞は、二人とも樋口直哉「さよならアメリカ」(群像)が本命。どんな本なのだろう。受賞したら、『服部栄養専門学校卒業。専門学校卒業後、レストラン勤務を…

芥川賞、直木賞候補作発表

http://www.bunshun.co.jp/award/akutagawa/index.htm http://www.bunshun.co.jp/award/naoki/index.htm 読んでみたいなと思うのは、絲山秋子「逃亡くそたわけ」くらいかな。芥川賞候補の方はほとんど知らない。

ボーン・コレクター/ジェフリー・ディーヴァー

「白仏」からの骨つながりで・・・。 このミスやら何かで高い評価を受けただけあって、ドキドキハラハラ楽しめる猟奇サスペンス。 主人公は、首から上と指一本しか動かせない天才鑑識官と美貌の新米巡査というなんじゃこりゃの設定で、また、この鑑識官リン…

白仏/辻仁成

この作者を読むのは、「海峡の光」、「ピアニッシモ」に次いで3作目。やはりいい。生と死を見つめる物語。一つ一つのエピソードが素晴らしく印象的に描かれている。この本が上梓されたのは97年のようだが、その後も数多くの作品が出ていて、どれから読んだも…

三万年の死の教え/中沢新一

梅原猛「天皇家の“ふるさと”日向をゆく」の解説を中沢新一が書いていたつながりで・・・というか角川文庫のフェアか何かで平積みにされていて手に取ってみた。吉本隆明が中沢の仕事を絶賛していたような記憶がある。 平易な言葉で書かれているが、私ごときに…

藤沢秀行と弟子たち

昨日夜、NHKで「無頼の天才棋士藤沢秀行」というドキュメンタリーをやっていた。ATP賞グランプリだそうだ。ATP賞ってなんだか知らないが。気がついたのが放送開始後10分後位、最後の15分は娘にチャンネル権を奪われた・・・ミスチルが何ぼのもんじゃと思いつ…