HONMEMO

読書備忘録です。

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

木琴デイズ/通崎睦美

平岡養一は、明治40年、実業家の長男として生まれ、音大でなく、慶應で学び、木琴の黄金時代を迎えつつあった米国で活躍、日米交換船で帰国後、日本における木琴時代(デイズ)を牽引、国民的音楽家となった。戦後再び米国へ渡るも、その頃からマリンバの人気…

なぜ戦争は伝わりやすく平和は伝わりにくいのか/伊藤剛

本書の前に読んだ高橋源一郎「僕らの戦争なんだぜ」に続いて、戦争を伝えることについて。 タイトルはややソッポ。 そもそも平和教育とは何か?戦争体験者の話を聞いて「戦争反対」を学ぶことで足りるのか? ボスニア紛争のような内戦においては、加害者と被…

ぼくらの戦争なんだぜ/高橋源一郎

戦争を伝えるとはどういうことなのか、あるいは戦争との向き合い方についての文芸評論。多くの戦争語りがなぜつまらないのか、伝わらないのかについて、一つの納得感のある説明だと思う。 戦争が語られる時、「大きなことば」で語られる「大きな記憶としての…

アメリカーナ/チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ

ナイジェリア人の聡明な女性イフェメルは、アメリカに渡り、高等教育を受け、人種問題などを扱うブログが評判となるが、アメリカでの恋人と別れ、帰国する。イフェメルの中学校以来の恋人オビンゼは、アメリカに渡ろうとするも、911でビザが下りなくなり、断…

人生はそれでも続く/読売新聞「あれから」取材班

過去にニュースで取り上げられた22人のその後の人生をたどるノンフィクション。 のぞき見的悪趣味かと躊躇うところもあったが、そうでもなく。 2012年9月から原子力規制委員会委員長も務めた田中俊一さんは、立場故に批判に晒されることも多かったように思う…

アメリカとは何か/渡辺靖

現代米国の政治の分断状況と今後の見通しについての第一人者の分析。 米国は憲法によって成立した市民主体の「自立・分散・協調」を重んじるネットワーク型の統治を試みた「理念の共和国」と称される。 米国におけるリベラルとは、政府による一定の介入こそ…