HONMEMO

読書備忘録です。

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

世界一ポップな国際ニュースの授業/藤原帰一・石田衣良

国際政治関係の時事問題をめぐる対談。2021年1月上梓。図書館に探していた藤原帰一の本がなくて代わりに。肩肘張らない対談。 プーチンは、自分の力の限界を知っていて、一線を越えようとしない。例えば、クリミア併合は行っても、オバマがリトアニア、ポー…

神坐す山の物語/浅田次郎

久しぶりに浅田次郎を読む。奥多摩御嶽神社の神官の屋敷を舞台とする連作短編。子供の目から見た、神様や霊が日常にある暮らしの物語。著者自らの経験がベースにあるようで、昭和のファンタジーといっても、「メトロに乗って」とは違った趣がある。 神坐す山…

異端の時代/森本あんり

正統、異端とは何かを突き詰めつつ、現代のポピュリズム、反知性主義のありようの危うさを示す。 キリスト教などでは宗教の3要素として、正典、教義、職制があるが、それらによって正統が生まれるのではなく、正統はそれに先立って成立している。 正典は、正…

日本の構造/橘木俊詔

日本の国のかたちを50の統計データで確認、解説するもの。データ1ページ、文章3ページを原作として、コンパクトにまとめてあり、全体を俯瞰するのにはこういうスタイルも便利だろう。 ・年間労働時間は、1960年頃から700時間減少、アメリカを150時間下回る1,…

政治学(ヒューマニティーズ)/苅部直

高大接続を意識した政治学(政治哲学)入門とのこと。高校教科書で、国民の政治参加により国民の意思が政治決定となるというすっきりとした構図で説明される政治は、実は肝心の「政治」そのものがすっぽりと抜け落ちている。その「政治」を考察する政治学の入…

5歳からの哲学/ベリーズ&モラグ・ゴート

小さな子供に哲学の手ほどきをすることを目的とする本だというのだが。子供が倫理をはじめさまざまなことを自分の頭で考えるようにガイドしようということはわかるものの、もう一つピンとこない。 14歳からでいいのかもね>池田晶子 5歳からの哲学 考える力を…

ヒロシマを暴いた男/レスリー・ブルーム

広島への原爆投下による被害、その影響を、まだ米国・米軍が隠蔽しようとしていた時に、6人の広島の住民の証言を中心として紹介したピュリツァー賞作家ジョン・ハーシーによるニューヨーカー誌の記事ヒロシマ。人道問題や隠蔽批判など激しい反響をもたらす一…