HONMEMO

読書備忘録です。

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

踏み出す一歩は小さくていい/河野理恵

ケニアでアパレル関係で起業した著者の成功譚。爽やかな幸福感を共有できる。著者には成功に至る様々な好条件、環境があったと言えようし、幸運に恵まれたという面もあるだろうが、とにかく踏み出すということ自体が凡人にはなかなかできないというところだ…

読んでない本について堂々と語る方法/ピエール・バイヤール

2007年上梓のベストセラー。 本について語ることは、自分自身について語ることだ。だから、読んでいなくても語ることができる。 大事なのは、作品と自分自身の様々な接点であり、作品のタイトル、「共有図書館」(その本を含むある文化の方向を決定づけている…

書かれる手/堀江敏幸

あとがきで、著者は、要旨次のように言う。 私の関心は、本質に触れそうで触れない漸近線への憧憬を失わない書き手に向けられている。問題は、その憧憬に適切な形を与える能力が欠けていることで、出来上がった文章は「評論」にも「エッセイ」にも「解説」に…

神の方程式/ミチオ・カク

村山斉の「宇宙は何でできているのか」もそうなのだが、わたしがざっくりでいいからこれを人に説明できるかというと、これは全く無理で、分かった気でも分かってはいない。それでもまた似たような本に手を出すだろう。 "真空は単なる無の状態ではなく、実は…

論語と算盤/渋沢栄一

維新後、有為の人は政治家となり、商業に従事する者は下に見られた。武士階級は、論語をはじめいわゆる武士道の教育を受けてきたが、商人はそのような教育はなされなかった。渋沢は、商業の発展に尽くすが、その際、仁義道徳の重要性を説く。その論拠とされ…