HONMEMO

読書備忘録です。

2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

浄土/町田康

「犬死」「どぶさらえ」「あぱぱ踊り」「本音街」「ギャオスの話」「一言主の神」「自分の群像」からなる短編集です。 パンク侍のテイスト。 浄土 (講談社文庫)作者: 町田康出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/06/13メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 27…

われはロボット/アイザック・アシモフ

ロボットは、ロボット工学の3原則なるものに縛られた行動しかできない(はずである)、という前提がユニークで、これによって引き起こされるアイロニカルなドラマがなかなか楽しい連作短編です。半世紀以上も前の作品です。 われはロボット 〔決定版〕 アシ…

若者のための仕事論/丹羽宇一郎

この手のビジネス本はほとんど読まないのですが、ひょんなことから、若者でもないのに読んでみました。やや古いフレーズですが「想定の範囲内」というか、まあ私くらいの年のものからみれば極めて陳腐な印象です*1。 負けてたまるか! 若者のための仕事論 (朝…

百年の誤読/岡野宏文・豊崎由美

1900年以降のベストセラー100冊以上を対象とした、対談形式での書評です。解説で呉智英も書いていますが、対談ものによくある手抜き企画という感じはありません。対象がベストセラー本ですから、ほとんどのもの(特に近年のもの)が色々な角度から叩かれ、ツ…

春宵十話/岡潔

手元にないので確認できませんが、藤原正彦「国家の品格」に影響を与えた書でしょう。はしがきの冒頭が、「人の中心は情緒である。」ですから。わたしは科学者の書くエッセイが好きですが、本書は思い込みが強すぎる感じに辟易してしまいました。以下若干引…

新・反グローバリズム/金子勝

グローバリズム、金融資本主義の弊害に対抗する戦略を説くもので、民主党の言っていることと重なる部分が多いですが、第三者評価機能を持つアソシエーションの形成*1とか、私にはよく分からないところの多い本でした。 新・反グローバリズム――金融資本主義を…

巡礼/橋本治

ゴミ屋敷の主として周囲から白い目で見られ、ワイドショーネタとなった男忠市は、どんなろくでもない異常性格なのかと思いきや、昭和一ケタ生まれのごく普通の小市民として生きてきた人なのです。その昭和の時代を生きたごく普通の男の日常が丁寧に描かれて…