HONMEMO

読書備忘録です。

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

鴨川ホルモー/万城目学

途中一度壁に投げつけたくなったが、思い直して一応通読。学生時代のだらりんとした甘っちょろい雰囲気をそれなりに良く捉えているともいえるが…。最近人気の小説は10年経って生き延びているのをまって読もうと思いつつ手を出して。 鴨川ホルモー (角川文庫)…

コルシア書店の仲間たち/須賀敦子

仲間たちに注がれる穏やかな、愛情あふれるまなざし。 全集を買おうかな。 コルシア書店の仲間たち (文春文庫)作者: 須賀敦子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1995/11メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 44回この商品を含むブログ (53件) を見る 105円@BO

誰か/宮部みゆき

宮部みゆきにハズレなし。大当たりでもないけれど。ハズレの部類に入るのは、長すぎて、かつ鬱陶しい「理由」。まああとは読んでいないけど「模倣犯」かな。読まずにというのも酷いが、たぶん読むことはなかろう。遠慮しておく。 誰か―Somebody (文春文庫)作…

遠き山に日は落ちて/佐伯一麦

しみじみと良い小説だ。都会のサラリーマン生活から見ると、素朴な生活にちょっと憧れるようなところもある。登場人物も皆嫌味がなくて。離婚の頃を書いた作品は、あまり読みたいと思わないが、比較的最近の「鉄塔家族」「ノルゲ」はいずれ是非読みたい。 木…

藪の中の家/山崎光夫

副題は、「芥川自死の謎を解く」。薬物が睡眠薬ではなくて青酸カリであったというのは、(本書で後に示されるように)新発見であったわけでもないのに、もったいつけて長々と語られる。原因物質が何であったのかなんて、そもそもちっぽけな話。どちらかとい…

木/幸田文

木をあたかも人のようにみて、思いを馳せる。凛とした文章が心地よい。今このような文章の書き手は何処に?佐伯一麦の解説がこれもまたよくて。 木 (新潮文庫)作者: 幸田文出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1995/11/30メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 26回…

裁判長!ここは懲役4年でどうすか/北尾トロ

日本の裁判って、書面審理主義とか言って、丁々発止の弁論は滅多にないのかと思っていたのだが、結構やってるんだな。 裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)作者: 北尾トロ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/07メディア: 文庫購入: 1人 クリック:…

星を継ぐもの/J・P・ホーガン

SFはあまり読まないのだが、名作として名高い作品らしいので。 時空を曲げてとんでもなく遠くまで行けるとか、そういうのは別にいいのだけれど(というかSFの醍醐味でもあろうが)、SF作品では、つじつま合わせのご都合主義が気になることが多い。この作品で…

文明論之概略/福沢諭吉

議論の本位を定ること 自由の気風はただ多事争論の間にありて存するものと知るべし 私智、公智、私徳、公徳 日本の文明は西洋の文明よりも遅れたるものといわざるを得ず。…我文明の以て彼に及ばざるを知り、文明の後るる者は先だつ者に制せらるるの理を知る…

ホントの話/呉智英

いや、まあ、この手の言説といったらミョーだけれど、好きなんだな。上品じゃないけれど。『「支那」か「中国」か』という趙宏偉法政大学助教授との対談がなかなか面白い。 ホントの話―誰も語らなかった現代社会学 全十八講 (小学館文庫)作者: 呉智英出版社/…