2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧
今は使われない方式の速記で残された古文書は、何と円朝の人情噺だった。本書の中心となるその幽霊噺が終わった後で、実はその噺を書いたのは…という結末に至るまでの、凝りに凝った構成がすばらしい。ミステリーも落語の人情噺も1冊で楽しめる贅沢な本です…
冒険家のフォト・エッセイです。星野道夫的なものを勝手に期待していましたが…。写真は素敵ですけれども。 全ての装備を知恵に置き換えること (集英社文庫)作者: 石川直樹出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/11/20メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 27回…
環境・エネルギー、医療、教育、郵政、官僚システムに関する政策に関する問題点を指摘するとともに、提言を行っているものですが、次のような点などに共感するところが多くありました。 日本の温暖化対策は、効果の薄い道徳的努力を国民に求めている点で問題…
筒井康隆による朝日のコラム漂流 本から本へで紹介されていた侵略ものSFの古典ということで読んでみました。何回か映画化もされているそうです。 解説によると、スティーヴン・キングが高く評価しており、「呪われた町」に影響を与えたとしているそうです。…
(主人公熊太郎は父母の寵愛を一心に*1享けて育ちながら無頼者となり果てて)『あかんではないか』ではじまり、(神さんに向かって本当のことを言って死にたい、と思って自分の本当の思いを心の奥底に探ったのに、何らの言葉も、思いもなくて、涙あふれて)…
著者が服役中に知ったエピソードをもとにしたものを中心とした短編12編。水準は超えているのですけれど、やはり物足りない感が否めないです。 プリズン・ストーリーズ (新潮文庫)作者: ジェフリーアーチャー,永井淳出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/05/2…
2004年に上梓された旅にまつわる文章、あるいは海外ルポといったものを集めたものです。もっとも古い文章は、1972年に書かれた拘留中の岡本公三との一問一答*1を文春に載せたものですが、もっとも古い旅は、1960年の立花隆が学生の頃の反核映画・写真を携え…