HONMEMO

読書備忘録です。

2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない/橋本治

集英社新書3部作の完結篇(らしきもの)。う〜ん。途中でlostしちゃった感じだな。読み返せばもう少し理解も深まるのだろうけど。 今の経済には一つの方向すなわち「利潤を得る」しかない。しかし、経済というのは(バレンタインのチョコレートで分るように…

東亰異聞/小野不由美

いわゆる本格ミステリの筋立てに禍々しいホラー・ファンタジーの趣向を織り交ぜて、読ませる。闇御前とか火炎魔人とかが跋扈する東京ならぬ「東亰」ってことだけで、何やらワクワクするもんね。ただ、最近は本格ミステリ的謎解きものは面白いと思えなくて(も…

上司は思いつきでものを言う/橋本治

橋本治の新刊「乱世を生きる〜」を手にとったところ、『「分らない」という方法』、本書を含めての3部作完結篇(のようなもの)と書いてあったので、同書を読む前にと思い、ブックオフにて105円にて購入して読む。タイトルからはビジネス本・ハウトゥー本みた…

自民党新憲法草案

先頃自民党の憲法草案が公表されたけれど、中味についての議論は別として、この自民党憲法草案の前文の格調の低さは何とかならんのかと思う。現行憲法は英語からの翻訳だけれど、現行憲法の方がまだしもと感じられる。例えば、草案の第2パラ 象徴天皇制は、こ…

桃尻娘/橋本治

「桃尻娘」(主人公の玲奈)って高校生だったんだ(女子大生だと思ってた・・・というのはまぁ続編があるからひょっとすると間違いではないのかもしれないが)、更に言えば、インテリだったんだ。それになんか凄いイイコちゃんじゃん。品は良くないかもしれな…

犬婿入り/多和田葉子

何じゃこりゃあ・・・ユーモラスな民話チックブンガク?!私のような凡人には訳ワカランという点で笙野頼子センセに並ぶ。でも何だか楽しい作品ではあった。芥川賞受賞の表題作のほか、「ペルソナ」を収録。こちらの方が分り易いということはあるのだが、作品…

ダック・コール/稲見一良

何でこの作品を知ったのだったか。山本周五郎賞受賞作ということでだったろうか。これもブックオフで105円で見つけて購入。石に描かれた野鳥がつなぐ6つの短編。それぞれの内容は、縄田一男が解説でコンパクトにまとめているので省略するが、「密猟志願」の少…

東京堂書店

何を今更ではあるのだけれど、東京堂書店ってユニークだなぁ。学生の頃、三省堂とか、書泉ブックマート、グランデなんかは比較的よく覗いたのだけれど、東京堂書店は靖国通りに面していないから知らなかったというだけだと思うのだが、行ったことがない。ユニ…

アースダイバー/中沢新一

東京の縄文地図をもとにして中沢が紡ぐイメージ、幻想、妄想(?)が楽しい。怪物としての金魚なんていうのも、う〜むなるほどなぁと思ったサ。 最終章「森番の天皇 皇居」もまた面白い。 女性天皇の誕生をもって、・・・南方的・縄文的な双系原理が皇室の中によ…

生協の白石さんSPAM

先ほど、次のようなSPAMが着信。こういうのが来るというのは、ここに先日「生協の白石さん」について書き込んだことと関係があるのだろうか。ああイヤだ。 先ほど一旦メールの内容をコピーしたのだけれど、いかがなものかと思い直し、削除しました。

国家の品格/藤原正彦

藤原正彦といえば、私にしてみれば「若き数学者のアメリカ」、「遥かなるケンブリッジ」など軽妙なエッセイで知られる数学者なわけで、氏が「国家の品格」というタイトルの書を著すということ自体がちょっとした驚きだったのだが、読み終えてある種爽やかな…

12月の新潮文庫新刊は盛りだくさん

12月の新潮文庫新刊*1は、「模倣犯」(3分冊のようだ)、「本格小説」(上下)、「博士の愛した数式」と盛りだくさんだ。早いところ積読本を消化しておかなくては・・・。 *1:http://www.shinchosha.co.jp/bunko/sokuho.html

人は見た目が9割/竹内一郎

「非言語コミュニケーション」入門ということだが、常識的なお話が取りとめもなく語られるだけで、新しい発見や驚きがほとんどなかった。「憎茶」ってのは知らなかったが。新潮新書に対しては期待値を下げているのでこんなものだろうって感じ。懲りもせず今…

雨月/藤沢周

「ブエノスアイレス午前零時 (河出文庫―文芸コレクション)」がいかにも芥川賞受賞作らしいブンガク作品であるのに比べて、この作品は官能ホラーサスペンスという趣で、エンタメ要素もたっぷりなのだが、それでも、女のしぐさや匂いについての描写などじっくり…

生協の白石さん/白石昌則

15分程の立ち読みで粗々読んでしまいました。楽しませてもらいました。白石さん、本屋さん買わなくてごめんなさい。 生協の白石さん作者: 白石昌則,東京農工大学の学生の皆さん出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/11/03メディア: 単行本(ソフトカバー)…

凍/沢木耕太郎

沢木耕太郎10年ぶりの長編ということで、息子が買ったのを拝借してホイホイ読む*1。 「登山家夫妻がヒマラヤの山に登り、帰りに雪崩に遭って酷い凍傷を負いました」というお話がこういう胸を熱くする物語になる。期待どおりに(以上にと言うべきなのだろうな…

血と骨/梁石日

梁石日の父をモデルとしたという金俊平という男・・・ケダモノ、非道、鬼畜など、どのような言い方をしても表現しきれない。この剥き出しの暴力とエゴの恐怖、理不尽、不条理は、この本を通読して震え、吐き気を催すことで初めて実感されるのではないか。ビー…

ダ・ヴィンチ・コード/ダン・ブラウン

かみさんがどこからか借りてきて長々置き放しにしていたので、超ベストセラーということもあって土日にパラパラ読んだ。こりゃ田舎者アメリカ人の書いたTV2時間ドラマ「御当地サスペンス」(地方の観光協会か何かとタイアップして名所旧跡で殺人事件が起こる…

武相荘

秋晴れに誘われて、かみさんと二人、武相荘*1に行ってきた。「二人でこういったところに来るって、ジジババになったみたいね」と、かみさんが言い、ほんとだねと大笑い。宅地の中の小さな異次元空間だ。白洲次郎、白洲正子も博物館なのかと・・・。すぐ隣が…

妻と私・幼年時代/江藤淳

江藤淳は、私の親父と同世代。親父の本棚には「漱石とその時代」、「小林秀雄」、「一族再会」、「海舟余波」など多くの氏の著作があった。私自身は比較的最近になって文庫本で「海は甦る」と「南州残影」を読んだくらいで(山本権兵衛の評伝「海は甦る」は…

グッドラックららばい/平安寿子

独特のみょーな雰囲気を持った家族小説。20年間家を出たままの鷹子とその夫信也の関係など突飛な設定なのだけれど、異常さを感じさせないリアリティがある。家族それぞれ(特に母鷹子)の性格設定にムフフフという所があって楽しい。解説は山田詠美。 グッド…