HONMEMO

読書備忘録です。

2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

東西/南北考/赤坂憲雄

柳田国男の民俗学は文化周圏論に代表される「一つの日本」の考え方に基づくものであるが、古代蝦夷、アイヌの存在などから考えれば「いくつもの日本」と考えるべきであるとするものです。 高橋克彦の蝦夷歴史物などに親しんでいたこともあってか、蝦夷、アイ…

茶の本/岡倉覚三(岡倉天心)

「武士の娘」からの英語で書かれた本つながりというわけでもないのですが。 おのれに存する偉大なるものの小を感ずることのできない人は、他人に存する小なるものの偉大を見のがしがちである。一般の西洋人は、茶の湯を見て、東洋の珍奇、稚気をなしている千…

武士の娘/杉本鉞子

明治初頭生まれの長岡藩の家老の娘のメモワールです。武士の娘として厳しく育てられますが、貿易商と結婚して渡米、二人の女の子を授かります。このころの異文化ショックと言うのは現代では考えられないほどであることは容易に理解できるのですが、現代人の…

迷走する帝国 ローマ人の物語32〜34/塩野七生

カラカラからディオクレティアヌスの前まで、ゲルマン民族の大移動=蛮族の侵入を背景に、73年間に22人の皇帝が立つという混迷の時代についてです。本筋とははずれますが、パルミラ王国とそのゼノビア女王というのは知りませんでしたが、気になります。 ロー…

回送電車/堀江敏幸

様々な媒体に発表された小文を集めた散文集です。回送電車は、堀江敏幸の文学の理想であると。 特急でも準急でも各駅でもない幻の電車。そんな回送電車の位置取りは、じつは私が漠然と夢見ている文学の理想としての《居候》的な身分にほど近い。評論や小説や…

滝山コミューン一九七四/原武史

日教組系の全国生活指導研究協議会の唱える「学級集団づくり」によって、著者の通う七小は、民主集中制の「滝山コミューン」となった。相当におどろおどろしいもので、「追求」といった自己批判の強要のようなところまでいくと背筋が寒くなりますが、当時、…

社会的共通資本/宇沢弘文

経済学の系譜は良く知りませんが、新古典派、サプライサイド、マネタリズム、合理的期待形成といったような主流を形成し、経済運営のバックボーンとなった考え方とは異なる、制度主義とか社会的共通資本といった概念で社会のあり方を問うています。 今の経済…