HONMEMO

読書備忘録です。

2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

物理学者・戸塚洋二 がんを見つめる

TV

ひょいとTVをつけたら、タイトルが飛び込んできました。不思議に縁があるようです。 先ごろ読んだ立花隆編「がんと闘った科学者の記録」を超える情報はそれほど多くありませんが*1、T2KというJ-PARCとカミオカンデの実験も成功したようで、故人も喜んでいる…

考える人

これまでも何度か立ち読みをしたことはあったのですが、定期購読してもいいかなと思ったりしています。 考える人 2009年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/10/03メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (27件) を見る

阿弥陀堂だより/南木佳士

10年も前に新人賞をとったものの、その後なかなか良いものが書けないでいる主人公孝夫は、パニック障害を患うこととなったエリート女医の妻を連れて故郷の山で暮らし始めます。そこでの生活が、阿弥陀堂を守るおうめ婆さん、難病と闘う小百合ちゃんとの交流…

寡黙なる巨人/多田富雄

この方の名前をどこかで聞いたことがあるなと思ったのは、超一流の免疫学者としてではなく、白洲正子との交遊の関係で、どこかで聞いた(読んだ)のでしょう。能にも造詣が深く、新作能を作ったりされているそうです。そういう知の巨人が脳梗塞に倒れ、重度…

百年の恋/篠田節子

主人公の年収200万円のライターは、年収800万円の才色兼備の東大出キャリアウーマンと結婚しますが、結婚してはじめて、妻は家事ができないどころではない、片付けるということすらできない身勝手でヒステリックな女であることを知ります。離婚も考えている…

素人庖丁記/嵐山光三郎

嵐山光三郎は、悪党芭蕉とか、文人悪食とかを面白く読みましたが、真髄は、本書のような自らの五感でというか身体で書いたとでもいうべきものにあるように思います。魯山人との仮想茶漬合戦やおむすびの具は何がいいかといった現実的な話から、タケノコや豆…

甲賀忍法帖/山田風太郎

忍者というより、化物ですね。楽しい作品ではありますが、私自身は、さらに忍法ものを読もうという気はしません。明治物は面白かったので、いずれまたとは思っているのですが。推理物はどうなのでしょう。 甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1) (講談社文庫)作者:…

月の扉/石持浅海

壁本としか言いようがないというのが私の感想です。 最後の最後は、そういう落とし方だったかとハッとさせられる思いもありましたが、本書のキモであるハイジャックした機内での殺人についてのトリックの構成というのか、推理の過程というのか、あまりに稚拙…

ハシムラ東郷/宇沢美子

20世紀初頭、ハシムラ東郷という日本人学僕*1の手紙というコラムが人気を集めていたというのは、初めて知りました。当初はハシムラ東郷が自ら怪しげな英語で書いているという偽装を施していたのですが、途中でアーウィンという米国人が書いていることを明ら…