HONMEMO

読書備忘録です。

2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

幻の楽器 ヴィオラ・アルタ物語/平野真敏

HONZの激賞書評に乗せられて読んでみた。 楽しく読んだが、物足りない。まずはその音(演奏)を聞いてみたい。私にはビオラとバイオリンの音の区別もたぶんつかないだろうから、何をかいわんやではあるが。 幻の楽器 ヴィオラ・アルタ物語 (集英社新書)作者: …

イギリスの大学・ニッポンの大学/苅谷剛彦

オックスフォードで教鞭をとる著者がオックスフォード、イギリスの教育・研究の仕組みなどを紹介するとともに*1、ニッポンの大学教育の改革の方向について論じた示唆に富む本。 日本社会では、大学は、教育の総仕上げをする場として期待されてこなかったし、…

平気でうそをつく人たち/M・スコット・ペック

このタイトルだと、虚言癖の人々のことかと思ってしまうが、それとはちょっとずれていて、本書では、「邪悪性」を精神病の一形態として規定できないか、科学的研究の対象とできないか、という考察が中心になっているので、むしろ副題の「虚偽と邪悪の心理学…

あの戦争から遠く離れて/城戸久枝

中国残留孤児という言葉さえまだない頃に、苦労して帰国した父の苦難を中心に描く第1部、中国での父の(義理の)縁戚や友人たちとの暖かい交流、激しい反日感情に対するとまどい、残留孤児の国賠訴訟などを通して娘である私を中心に描く第2部。構成もすばらし…

天切り松闇がたり 1〜4巻/浅田次郎

浅田次郎のピカレスク・ロマン。「闇の花道」「残侠」「初湯千両」「昭和侠盗伝」 浅田次郎の作品の中で一番好きな「プリズン・ホテル」、「きんぴか」の系譜だが、ユーモラスなところはあるとしても、スラップスティックとはいえないところが違うかな。 第3…

日本人はなぜ貧しい人が多いのか/原田泰

2004〜09年のNIKKEI NET BIZ+「経済学で考える」のコラムを中心に編集されたもの。玉石混淆という感があるが、いくつかメモ。 日本は相対的貧困率が高いが、これは、児童手当、失業給付、生活保護*1などの個人への所得再分配が少ないから。日本の社会安定機…

花はさくら木/辻原登

大阪の経済力を江戸に持ち込もうとして鴻池・北風の力を削ごうと画策する田沼意次の策謀を軸として、智子内親王(後の女性天皇後桜町)をめぐる皇室事情や朝鮮とも関係する北風の娘菊姫の驚くべき生い立ちなどを絡めて、恋あり、サスペンスありの物語が展開…

ふしぎなキリスト教/橋爪大三郎、大澤真幸

近代、西洋のアイデンティティを基礎付けるキリスト教とは何かについての宗教学者、社会学者の対談。対談って散漫になりがちであまり好きでないのだが、本書は、編集がしっかりしているのか、まとまりがある。 論点は幅広いのだけれど、一点だけメモ。 どう…

石橋湛山評論集/松尾尊兌編

終戦直後、短期間ではあったが総理も務めた言論人の評論集。 普選問題,ロシア革命,三・一運動,満州事変等についての論評どれをとっても、日本にほとんど比類のない自由主義の論調に貫かれており、非武装・非侵略という日本国憲法の精神を先取していた稀有…

地球最後の日のための種子/スーザン・ドウォーキン

ジーン・バンクの発展に貢献した植物学者ベント・スコウマンの伝記。伝記というより、遺伝資源をめぐる保護と利用の相克をめぐる世界的なダイナミックな動きを追ったノンフィクション。 スコウマンは、よく「種子が消えれば食べ物が消える。そして君も。」と…

エイジ/重松清

健康優良児ならぬ「精神優良児」なんて言われる中学2年生のエイジ。すぐ前に座っていた同級生タカやんが通り魔として捕まった。 通り魔になる、キレるってほんの紙一重なのではないか。 ぼくはタカやんじゃないし、タカやんもぼくじゃないけど、ぼくは、タカ…

へんないきもの/早川いくを 絵・寺西晃

先頃ワンダフル・ライフを読んで、バージェス動物群というのはなんてへんてこなのだろうと思ったが、現在に生きるいきものも相当に変だということがわかる。数年前のベストセラー。文章がユーモラス。 へんないきもの (新潮文庫)作者: 早川いくを出版社/メー…

震災復興 欺瞞の構図/原田泰

そもそも政府の物的資産毀損額16.9兆円という試算は過大である。減価償却も考慮すべき。(政府試算は考慮していないのかな?) 復興事業は過大であり、必要十分なものであれば、増税不要。そもそも、復興事業もコストをきちんと考える必要がある。仮設住宅、…

スエズ運河を消せ/デヴィッド・フィッシャー

第二次大戦中、マジシャン、ジャスパー・マスケリンはイギリス軍に志願、カモフラージュ部隊を結成し、偽装作戦を企画して、北アフリカでロンメルに挑む。その作戦には、張り子の戦車なんかによる陽動作戦といったもののほかに、 アレクサンドリア港を移動さ…