2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧
アーウー総理などと揶揄された大平は、その一般のイメージとは異なり、辻井喬の評伝(小説)にもあるように、優れた識見を待った宰相だった。その国家基本構想が田園都市国家構想で「都市に田園のゆとりを、田園に都市の活力を」をキャッチフレーズとして、具…
イタリアにおいて、テリトーリオとは都市と周辺の農村が密接に繋がり、支え合って共通の経済・文化のアイデンティティを持ち、個性を発揮してきたそのまとまりをいう。歴史的建造物、街並みを核として都市から広がるもの、GIに代表されるような農産物や自然…
・料理の「サイテキカイ問題」とは、料理をその場に居合わせる最大多数の人々から嫌われないように調整(サイテキカ)すること。半熟卵はそのために安易に使われすぎている。 ・苦手なものを食べるのは、時に、好きなものを食べるより結果的に楽しい。苦手なも…
最近の中国の極めて攻撃的な主張や自国を過剰に賛美したり、ディスインフォメーションの流布を繰り返す「戦狼外交」や「海外派出所」を通じる対日工作は、したたかな中国の表れなのか。 戦狼外交を担う外交官の多くは田舎者気質の迎合的出世主義者であり、脇…
日中戦争時に東亜局長、ビルマ大使で終戦を迎えた外交官の自伝。陸奥、小村、幣原、重光ほど有名ではないけれど(寡聞にして知らなかった)、気骨ある外交官だったようだ。 国際協調主義、平和主義、対華善隣主義という当時の霞ヶ関の正統外交は時間をかけて形…
司馬遼太郎とドナルド・キーンの対談。キーンが後書で書いているように、汽車の中での雑談を立ち聞きするような楽しさがある。 キーンの日本文化特に江戸文化についての見識の深さについては改めて感心する。文化を対象としているから司馬遼太郎よりはキーン…