HONMEMO

読書備忘録です。

2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

となりのクレーマー/関根眞一

苦情対応が「楽しい」とさえ感じられるという苦情処理のプロによるハウツー本。クレーマーの生態が恐ろしくも興味深い。中島義道vs関根眞一ってのを見てみたい……。 となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ)作者: 関根眞一出版社/メ…

東京大学応援部物語/最相葉月

滅多に勝つことのない東大野球部を応援するのは、報われることのない「純粋応援」とでも言うべきもの。熱い。濃い。わけ判らんけど涙が出る。 三浦しをんの解説もいい。 東京大学応援部物語 (新潮文庫)作者: 最相葉月出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/10…

東大法学部/水木楊

全く期待せずに読んだのだが、それにしても散漫な、見るべきところのない本だった。 (追記)著者についてのWikipediaが結構辛辣で、むべなるかなという感じ。→水木楊 - Wikipedia 東大法学部 (新潮新書)作者: 水木楊出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/12/1…

宣告/加賀乙彦

死刑囚の魂の救済を扱った名作として知られる大著。ドストエフスキーを日本語に分かり易く翻訳するこうなる、という感じの本だった。主人公他家雄の言う「愛」というものは、実感としてはわからない。いつか啓示が訪れるだろうか。 死刑制度や精神医療につい…

ガラスの地球を救え/手塚治虫

息子が中一の時の課題図書だかの一つに上がっていた本で、最近「まちの本屋のオススメ本」という企画にも取り上げられていたので、へえと思って読んでみた。 よい子のための道徳の時間(?)の副読本みたいな本だな、こりゃ。手塚治虫はやはりマンガを読むべ…

ノーベル平和賞

アル・ゴアにノーベル平和賞とか。不都合な真実とは言わないが、へんてこりんな真実だな。内田樹先生はえらい→「地球温暖化で何か問題でも?」

国連の政治力学/北岡伸一

国連、国連代表部の日常や国連における日本の果たすべき役割がよくわかる。今も安保理改革、日本の常任理事国入りに向けての地道な努力は続いているのだろうか。外務省もしょうもないところばかりあげつらわれるけれど、ここは日本の外交官がんばれ!とエー…

父と暮せば/井上ひさし

戦後ほどない頃の広島を舞台にした、原爆で死んだ父の亡霊と生き残った後ろめたさを引きずる娘の二人芝居。私は父子ものに弱いのだ。よいお話を「ありがとありました」。 父と暮せば (新潮文庫)作者: 井上ひさし出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2001/01/30メ…

東京のオカヤマ人/岩井志麻子

エッセイというより連作短編ホラー小説というべきかもしれない。 ホラーと官能・エロスとの親和性は高いけれど、ホラーとユーモア・笑いというのは相反するもので、共存することはなかなか難しいと思うのだが、本書は怖くて笑える稀有な本というべきか。 東…

北朝鮮に消えた友と私の物語/萩原遼

「友と私」の自伝的ノンフィクションに、帰国運動の摘発をくっつけたという感じの本。帰国事業の欺瞞をこの本が暴いたということではないと思うし、何で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したのかよく分からない*1。振幅の激しい人のようで、好きな文章では…

yahoo文学検定クイズ

なんてのをやってみた。25問正解で、文学助教授でした。あほくさ。 →すぐに遊べるゲーム - Yahoo!ゲーム

博士の愛した数式/小川洋子

今更ながら。数学のエピソードの使い方が抜群だ。 小川洋子は、「揚羽蝶が壊れる時」「冷めない紅茶」などを収めた「完璧な病室」を読んだことがあるだけだが、本作は随分と読みやすい作風になったなという感じ(本屋大賞だし。)。「ミーナの行進」も本作に…