HONMEMO

読書備忘録です。

2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

表徴の帝国/ロラン・バルト

日本を題材としているので日本文化論みたいでもあり、興味深いのですが、エクリチュール論は凡人にはなかなか厄介です。内田樹「寝ながら学べる構造主義」にも何か書いてあったはずですが、すっかり忘れています。 表徴の帝国 (ちくま学芸文庫)作者: ロラン…

海山のあいだ/池内紀

ドイツ文学者による登山などの紀行文や生い立ちの記風のもの、掌編小説のようなものなどを収録した初出1994年の講談社エッセイ賞受賞作です。 海山のあいだ (角川文庫ソフィア)作者: 池内紀出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1997/06メディア: 文庫この商品…

人間と国家/坂本義和

国際政治学者坂本義和のメモワールです。学生の頃、段階的一方的(核)軍縮イニシアティブという考え方に目の覚める思いがしたものです。 国家でなく、市民を主体として考えるという点においてブレがなく、その徹底ぶりは見事です。理想主義者とのレッテルを貼…

北杜夫死去

私の中で、ちょっと特別な位置を占める作家が亡くなった(記事)。「楡家」の再読の契機としようかな。

疾走/重松清

カバー裏に現代の黙示録とありますが、むしろ、これでもか、これでもかというほど、試練にみまわれるという意味で、現代のヨブ記というべきでしょうか。シュウジはヨブのように報われることはないのですが、ラスト1ページ、エリ、アカネに、「望」がもたらさ…

日本の大転換/中沢新一

原発事故を体験した日本は、原子力エネルギーから太陽エネルギーを活用した社会へと変わらねばならず、また、原発と資本主義のアナロジーから、経済も、資本主義から太陽エネルギーの恩恵を増幅させる(農林水産業を重視するいわば現代の重農主義ともいうべ…

オン・ザ・ロード/ジャック・ケルアック

ドラッグ・酒におぼれ、アメリカ大陸をヒッチハイクし、あるいは仲間の車を爆走させながら、何回も往復するロード・ムービーならぬロード小説?映画イージー・ライダーを想起させます。 ビート・ジェネレーションの代表作といった位置づけのようですが、beat…

外交回想録/重光葵

第一次大戦勃発から太平洋戦争開戦前夜までの重光葵の回想録。古谷綱正に口述筆記させたものです。重光葵といえば、ミズーリ艦上での降伏文書調印式の映像が印象的ですが、本書の対象となった時期以降、調印式までの記録は別に刊行されているようです。 戦犯…